「大海の奇跡」編
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---ガチャ、
「……あれ?快斗なら、私より先に来てるかと思ったのに」
小五郎にマンションの入口まで送ってもらい、自室にたどり着いた名前。扉を開けてみると予想とは違い、未だに真っ暗な室内に小さく首を傾げる。
「聞いての仕事の後だし、まだ寺井さんと何かしてるのかしら」
名前はポツリと呟きながら、部屋の明かりをつけて鞄を置くと、着ているコートを脱ぐ。
--ピンポーン
「………快斗かな?」
名前は、くるりと振り返って玄関の方へ足を向けると、ドアノブに手を伸ばした。
card.431
「快斗、お帰りなさい…どうしたの?」
扉を開けた名前は、予想通り快斗が立っていたため微笑んで声をかけるが、よくよく見てみれば明らかにぐったりとした快斗の姿に首を傾げる。
「歩いて来たんだよ…」
「歩いてって…どこから?」
名前は、どこか不機嫌そうに呟いた快斗に尋ねる。
「潮留から」
「えっ?潮留から、ここまで?……でも、ハンググライダーで逃げたって新一に聞いたけど……」
「………あれはダミーだよ。あのハーレーの爆発を逃れるので精一杯。ったく、オメーの幼なじみは、俺を何度殺しかければ気がすむんだ…」
快斗は大きいため息と共にそう呟きながら、名前の肩にコテンと身体をもたれかける。
「………でも、約束通り帰って来てくれて良かったわ。おかえりなさい」
名前は、そんな快斗の身体を受け止めながら小さく呟く。
「はは、ただいま!……名前ちゃんが俺の帰りをこうやって待ってくれてるなら、俺…火の中にだって飛び込めるかも…」
快斗は名前の言葉に嬉しそうに頬を緩めると、名前の首元に顔を埋めながら名前の身体を抱きしめる。
「ふふ……さすがの快斗でも、火の中になんて飛び込まれたら困っちゃうなぁ」
--オメーの為なら火の中、水の中ってタイプだもんな?--
(本当………困ったわね)
名前は、クスクス笑って快斗の身体を抱きしめ返しながらも、コナンに言われた言葉を思い出す。
「……………。」
(冗談とは言え……さっき新一に言われた事と同じ事を言うなんて……本当、タイミングが良いのか悪いのか……)
名前は、首元にかかる快斗の吐息にくすぐったさを感じながらも、心の中で小さくため息をついた。