「大海の奇跡」編
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「…………名前、」
「何?」
「悪かったな…」
コナンが気まずそうに小さく呟いた言葉に、名前は目を見開いてコナンに目を向けた。
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「………俺は、オメーに危険な目に合ってほしくないっていう気持ちも確かにある。だけど、俺や灰原の事をオメーに話しちまった時点で、今さら詳細を隠してもオメーを巻き込んじまった事には、違いはないってことも分かってる」
「…………。」
感情的になる事なく穏やかな口調で、ポツポツと話すコナンの姿を名前は黙ったまま見つめる。
「だがな、あいつは違ぇだろ?」
「………あいつ?」
名前が不思議そうに首を傾げると、コナンは少し迷ったように視線をさ迷わせた後に、ゆるりと口を開く。
「黒羽だよ」
「……快斗?」
名前は、コナンの口から出た思わぬ人物の名前に僅かに目を見開く。
「あいつは……灰原の事は、どこまで知ってるかは知らねーが…俺の正体を知ってるだろ」
「ええ、そうね…」
「オメーや俺達に気を使っているのか、興味がねーのかは知らないが……あいつは、今は俺達が"こう″なった理由を聞いてはこない……」
「…………。」
腕を組んで話すコナンの話に、名前は眉を寄せながらジッと耳を傾ける。
「だが……もし、今後あいつがその理由を聞いてきたら?」
「………。」
「オメーは、どうする気だ?」
コナンはその言葉とともに、名前を真剣な表情で見つめる。
「ど…うするって…?」
(そんな事、今まで考えてもいなかったわ……)
名前は、コナンからの思いがけない質問に戸惑ったように眉を寄せる。
「あいつは…オメーの為なら、火の中、水の中……ってタイプだもんな?オメーが組織の事に関わるなら、間違いなくあいつも関わってくるだろうよ」
「!!」
「もし、オメーがあいつを俺達の事に巻き込みたくねーなら……オメーも、これ以上組織の事には関わるな」
「…新一?」
「別に…それを選んだとしても、俺はオメーの事を恨んだりなんかしねー。俺だって、本当はオメーには危ねぇ事には首を突っ込んでほしくないんだからな」
「………そんなの、そんな事を……私に選べというの?」
名前は、悲し気に眉をよせてコナンを見つめる。
「バーロー、そんな顔すんなって。ただ、オメーだって今後……大事なものを選ぶ…選択する必要があるって事だ」
「選択……」
「別に今すぐ決めろなんて言わねーよ。………ま、この間も言った通りジョディ先生の事以来、大して進展がねーのは事実だけどな」
「……………。」
「コナンくーん!名前ー!帰るわよ!!」
名前が黙ったままコナンを見つめていると、少し離れた場所で蘭が手を振りながら声をかけてくる。
「ほら、とにかく帰ろうぜ」
「ええ…そうね」
名前とコナンは、喧嘩する前のいつもの笑顔で微笑みながら言葉を交わし合った。