「黄昏の館」編
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名前は、ガタガタと不規則に揺れる車内で延々と続く振動のためか、痛み始めた腰を押さえながら小さくため息をつく。
(蘭の頼みとは言っても…こんな事なら来るんじゃなかったかしら)
card.43
*黄昏の館編
「くそっ!何が近道だ!あのガソリンスタンドの親父こんな道を教えやがって…」
運転席で苛々したように声をあげる小五郎をチラリと見た後に、名前は背もたれに深く寄り掛かる。
隣にいるコナンも激しく揺れる車内に、さすがに困惑しているのかタラリと汗をかいている。
「あ、やっとまともな道に出たみたいよ!」
そんな中、助手席の蘭が嬉しそうに言うと、名前の隣にいるコナンが前方に指を差しながら口を開く。
「ほら!アレでしょ?僕達がこれから行く…"黄昏の館″って…」
コナンの指差す先には、崖の上に佇む屋敷が見える。まだ少し距離が離れているものの、それでもかなり立派な屋敷であることが確認出来る。
「黄昏の館って言うより、あれじゃまるでドラキュラ屋敷だな…」
「ほ、本当に行くの?」
「…確かに不気味で嫌な感じね」
「蘭姉ちゃんも名前姉ちゃんも、怖がりだから…ああいうの苦手そうだよね~」
しかしその屋敷は"黄昏の館"と言う割には、古びていて独特の雰囲気を纏っている。そんな屋敷を見て狼狽える名前と蘭。
名前は無邪気なフリをしてからかうような視線を向けながらニヤリと笑っているコナンを軽く睨む。
「でも招待主の差出人の場所にも不気味な事書いてなかった?」
蘭が少し不安そうに小五郎を見るが、小五郎は大して気にしていないようで、淡々と蘭の問いに答える。
「ああ…"神が見捨てし仔の幻影″とかなんとか…だったな」
「お前、本当はこれが目的で来たんだろ?」
「…あら、何の事かしら?」
小五郎たちの会話に反応したコナンが、ジト目で名前を見ながら小五郎達に聞こえないように尋ねる。
「オメーみてェな怖がりが、わざわざこんな所について来るなんて…あの招待状を見たからだろ?」
「あら、私は、蘭が"怖いからどうしても一緒に来て!″って言うから来ただけなんだけど」
「…ふぅん?」
うたぐり深い視線を自分に向けるコナンを無視して、名前は窓の外に目を向ける。
(…完全に怪盗キッドとの関係疑ってるわね)
名前は疑い始めるとしつこい幼なじみの視線を感じながら、小さくため息をついた。