「大海の奇跡」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
---ファンファン
「コナンくーんっ!!」
爆発したハーレーをぼんやり見つめていたコナンの元に、ふいにサイレンと共に自分の名前を呼ぶ蘭の声が響く。
「………ん?」
コナンが振り返ると、そこにはコナンの連絡を受けてコナンとキッドを追いかけてきた中森達の乗った車の姿が、自分の元へ向かって来ていた。
card.429
「もぉー、心配したんだよ?」
「相変わらず無茶ばっかりするガキんちょね!!」
「ご、ごめんなさい……つい」
車を降りてきた蘭や園子達に小言を言われて、コナンは困ったように頭を掻きながら言葉を返す。
「それで!?"大海の奇跡″は?」
そんなコナンに、中森が焦ったように尋ねる。
「ああ…それなら、あそこのサイドカーの中に…」
「おお!キッドの野郎から守ったのか?よくやった!?」
コナンの返事を聞いて、中森や小五郎達は嬉しそうにコナンが指差したサイドカーに向かっていく。蘭達も、無事だった"大海の奇跡″を見ようと中森達の後に続く。
「………お疲れさま、」
そんな中森達の背中を見送っていたコナンの背中に向かって、名前がポツリと声をかける。
「オメー…」
コナンは、名前の方から自分に声をかけてきた事に、僅かに目を見開いて名前の横顔を見つめる。
「…宝石は、無事に守れたようね」
「厭味か……それ?」
「ふふ、そんなつもりはないわ」
自分にジト目を向けるコナンに、名前は小さく苦笑する。
「ただ…あそこで燃えてるの、次郎吉さん…キッドが乗ってたハーレーでしょ?少しやりすぎなんじゃない?」
「?」
「彼も…一応、普通の人間なんだけど?」
名前の言葉に、コナンは名前が言わんとする事を理解したのか小さくため息をつく。
「俺だって…アレは別に爆発させるつもりでやったんじゃねーって。でも、俺言ったよな?"怪盗としてのオメーには、容赦しねー″って」
「まぁ、確かにそうね…」
名前はコナンに対して本気で怒っていたわけではないようで、コナンの言葉を聞いて諦めたように小さく微笑む。
「…………。」
コナンは、そんな名前の様子を見て小さくため息をつく。
「…………。」
(黒羽の野郎は、俺に正体がバレても…名前という存在が出来ても、怪盗をやめる気配はねーし。名前も名前で、全く黒羽に怪盗をやめさせようとする気もなさそうだ…)
コナンは、チラリと自分の隣で空を見上げる名前の横顔を見て眉を寄せる。
(……こいつの性格だったら、知り合いがあんな事やってるって知ったら止めても良さそうなもんだが。ましてや、彼氏相手なのに)
--結局、目当ての宝石じゃなかったし……--
(あいつが怪盗をやる理由が、名前をそうさせているのか…?)
--さっさと仲直りしろよ--
ぼんやりとそんな事を考えているコナンの脳裏に、笑いながらそう話す快斗の姿が蘇る。
(ったく、お節介な野郎だぜ…)
コナンは、ガシガシと頭を掻くと小さくため息をついた。