「大海の奇跡」編
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『…ザザザ…こちら14番機!博物館正面玄関上空で待機中の7番機視認!』
さっそく返ってきたヘリからの7番機の目撃情報に、中森は口元を更に緩ませる。
「…よォし!!見失わずに、そのまま追跡を……」
『こちら35番機!!7番機は只今潮留公園の真上に…』
しかし、そんな中森の言葉を遮るように新たな通信がワゴン車の車内に響いた。
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「え?」
『こちら28番機…現在7番機は潮留から大きく離れて……』
『こ……こちら9番機!潮留公園手前で、7番機を2機発見!!』
突然の通信に目を見開く中森を尻目に、次々と7番機の目撃情報の通信が入る。
「……お、おいおい!?何がどうなってんだ!?」
『…ザザザ……そ…それが、ほとんどのヘリの尾翼に"7番機″の番号が…!!お、恐らくキッドがあらかじめ……』
「馬鹿野郎!!んなわけあるかぁ!?いくら何でも、乗る時に誰か気付くだろーがっ!!」
「……け、警部さん!」
額に青筋を浮かべながらトランシーバーに向かって怒鳴りつけている中森に、ワゴン車内のスタッフが戸惑いがちに声をかける。
「どうした?」
「博物館の玄関前に、妙な人影が…1人や2人じゃありませんが……」
「何っ!?」
スタッフの言葉に、中森はモニターを覗きこむ。
「んー?あいつらは、さっき館内に入れたワシの部下じゃないか!?」
中森が覗き込んだモニターには、次郎吉と共に博物館に入ったはずの部下達が映っている。
「……まさか、あの刑事さんが持っているケースの中に"大海の奇跡″が……?」
モニターに映る数人の部下達の真ん中に立つ男性の1人が、大きなスーツケースを抱えているのを見てスタッフが首を傾げる。
「……何考えてんだっ!?あれじゃ、運んでますよって言ってるようなもんじゃねーか!!」
---ダッ!!
中森はモニターの映像見て眉を寄せると、慌ててワゴン車から飛び出して行った。
---タタタタ…
「今日のキッドは、人形か何かだったのかしら……」
ワゴン車に向かって走りながら、名前は上空で白煙と共に消えたキッドにチラリと目を向ける。
(だから、今日はキッドの姿を見ても何にも感じなかったの…ね)
「…って事は、やっぱり行くべき所は、博物館かな?」
名前は、小さくそう呟くと博物館に向かって足を速めた。