「大海の奇跡」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おい!!周辺を警戒中の各員、聞こえるか!?中森だっ!野次馬の中に、電波を出すような機械を持った奴がいないか今すぐチェックしろ!!そいつが、キッド手下かもしれんぞ!!」
中森はトランシーバを使って、地上に配備された警官達に大声で指示を出した。
card.418
---コツ、
そんな中、空中に佇んでいた怪盗キッドは、昨日と同じように足音と共に1歩ずつ、何もないはずの空中に足を踏み出す。
---ウォォォォ!!
『あ…歩いています!!キッドが、昨夜と同じく歩き始めました!!』
「相談役、早く指示を!!このままでは、今度こそ本当に…」
再び歩き始めたキッドの姿に、ワゴン車の中ではスタッフが次郎吉に慌てて指示を仰ぐ。
「フンッ!そう易々と盗られてたまるか!"大海の奇跡″を、一旦館内に取り込め!!彼奴との知恵比べじゃ……」
次郎吉は腕を組んでモニターを睨みながら、スタッフに指示を出す。
「…………。」
(壁の傷、先入観…)
キッドの登場で慌ただしくなったワゴン車の中で、コナンは顎に手をあててジッと考え込んでいる。
(そして、風…キッドの手下……そうか!)
バラバラのピースを繋ぎあわせていくように、コナンは1つの答えにたどり着いて小さく息を飲む。
(なるほど、そういう事か!!読めたぜ、怪盗キッド!!お前が空中に現れ、歩き…消えたトリック!そして、これからお前が"大海の奇跡″を掠め盗る……その手口もな!!)
---キッド!!キッド!!
『な、何度見ても信じられません!!雨の中、怪盗キッドが空中を歩いています!!』
「おのれ、キッドめ!!」
『本当に、このまま鈴木大博物館屋上に飾り付けられた"大海の奇跡″は…彼の手に落ちてしまうのでしょうか!?』
---ゴゴゴ…ガコンッ!!
空中を歩くキッドの姿に沸く地上の野次馬達を尻目に、屋上に設置された女神像は次郎吉の指示で館内の偽物と入れ代わる。
「相談役!!"大海の奇跡″の館内への取り込み、完了しました!」
「よーしっ!これより先手を打つ!!すぐに館内の全ての照明を消せっ!」
「え、照明を消すんですか?」
次郎吉の意外な指示に、スタッフは目を見開く。
「ああ。彼奴が、館内の映像を傍受している可能性もあるからのぉ!!」
しかし、そんなスタッフを尻目に次郎吉は自信たっぷりに頷く。
「おい、ちょっと……そんな事をしたら逆にキッドの思う壷に……」
「ならばあるのか?中森警部。まるで仙人の如く空中を闊歩して迫り来る、あの大泥棒を阻止する名案が……他に何かあるというのかっ!?」
次郎吉の提案に反論しようとする中森に、次郎吉は鬼の形相で詰め寄る。
「し、しかし…宝石を明かりを消した博物館内に取り込んで、一体何を?」
「要は、彼奴に盗ませなければ良いのじゃよ。"大海の奇跡″が、彼奴の手に届かなければワシの勝ちじゃ!!そこで相談じゃが、ここの指揮を汝に委ねる代わりに、信用のおける汝の部下を数人貸してくれぬか?」
「はあ?部下を…?」
中森は次郎吉の提案に、ますます訳が分からないというように首を傾げる。
「受けてやるんじゃよ!!昨夜、ワシが寝る間を惜しんで考えた秘策での!!」
「……………。」
コナンは、中森と次郎吉のやり取りを黙ったままジッと見つめていた。