「大海の奇跡」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「何?昨日の怪盗キッドの映像をもう1度観せてくれじゃと?」
「うん!どうしても観て来いって、小五郎おじさんが……」
コナンはビルの屋上を出た後、次郎吉がいるワゴン車に来ていた。
card.416
「坊や、昨夜穴が開くほど観たじゃないか!それに、もう相談役の自伝映画の制作スタッフの元へ送っちゃったよ……」
「えーっ!?」
コナンは、ワゴン車内のスタッフの言葉に眉を寄せて肩を落とす。
「まぁ、その映像は全て後ほど…我々警察に提出してもらう事になりますよ」
「中森警部……」
そんなコナンの後ろから声がして振り返ると、ちょうど中森警部がワゴン車に入って来るところだった。
「何しろ、怪盗キッドがあんな派手な下見をやるなんて、今までなかった事ですからな」
「…………。」
(そういえばそうだ。何でキッドは、あんなデモンストレーションを…)
コナンは中森の呟きを聞いて、小さく首を傾げる。
『さぁ!!予告の時間まで、あと1分を切りました!』
『55、54、…53!』
『集まったキッドファンから、カウントダウンが始まっています!!』
「…………。」
ワゴン車に設置されたモニターには、期待に満ちた野次馬達の姿が映し出されている。コナンや中森達は、それを渋い表情で見つめている。
『我々も、その奇跡の瞬間を見届けましょう!!』
「……ふん、来やせんよ」
「え?」
次郎吉の小さな呟きに、中森は首を傾げる。
『………25、24!』
「ショーが始まる前から、ステージに客を上げ……自分の周りを囲ませるマジシャンなんぞまずはおらぬ。トリックのタネがバレてしまうからなぁ……」
『10……9…!』
「彼奴は、今夜もあのビルの間に姿を現すと言い放った!!野次馬の視線が集まり、ヘリの風に煽られ…ハンググライダーで飛ぶ事もままならぬ、あの空中にな!」
「…………。」
「ありえんよ。あそこに姿を現す事なんぞ!!まぁ、彼奴が天狗や仙人の類なら話は別じゃがのぉ……ハーッハハ!!」
『3、2、1………ポンッ!』
「え!?」
高笑いする次郎吉を尻目に、モニターから小さな破裂音が響き、ビルの間の上空に白い煙が立ち込める。
「か……か、」
そして立ち込めていた煙が薄まると、上空には不釣り合いな人影が現れる。
「か…怪盗キッド!!!」
完全に煙が消え去ると、そこには昨日と同じように白い衣を身に纏う神出鬼没の大怪盗……怪盗キッドが宙に浮かんでいた。