「大海の奇跡」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ねぇ!ひょっとして、立体映像を映し出す機械を取り付ける跡だったりしない?」
壁の傷を見ていた園子は、トリックを1つ思い付いて、くるんと振り返り小五郎に目を向ける。
「ほら!こっちと向こうのビル2ヶ所から映写すれば……」
「無理無理。今の技術じゃ、何もない空間にあんな鮮明な動く立体映像を映す事なんか出来ねぇよ!昨夜キッドを目撃した人間が、全員3D眼鏡をかけていたわけじゃあるまいし…」
card.414
「あら……じゃあ、お父さんは何か思いついたの?」
「まぁな!人間っていうのはなぁ……そんな物あるわけないと思い込むと、例えそこにあったとしても先入観で見えなくなっちまうんだよ!」
「それで……」
「何なの?そんな物って…」
「…………。」
小五郎の答えを急かす蘭達の側で、名前も小五郎の答えを待つ。
「そう。例えば……バカでかい硬質ガラスだ!」
「…え?」
「ハハハ…」
名前は思わぬ小五郎の答えに小さく目を見開き、コナンは呆れたように渇いた笑いを浮かべる。しかし、小五郎は構わずに言葉を続ける。
「それをビルの間にかけて、キッドはその上を歩いたんだよ!中森警部が気付かなかったのは、まさかガラスに乗ってるなんて思わなかったからだよ!つまり、この傷はガラスを固定した器具を取り外した時に出来たもの……」
「お、おじさん?さすがに、そんなガラスがあったら…観客の誰かが気付くと思うんだけど……」
まだ言葉を続けようとする小五郎に、名前は戸惑いがちに言葉をかける。
「第一…そんな物どうやって運んで、どうやって片付けたのよ!?」
名前の言葉に続いて、蘭も呆れたように小五郎に詰め寄る。
「い……いや、だから例えばの話だってば……」
小五郎は、蘭達の呆れた視線を誤魔化すように壁の傷に視線を移す。
「ま……まぁ、とにかく!キッドがここに何かを仕掛けていたのは、間違いなさそうだな……」
「…結局、その何かが分からないのよね」
園子は、いくら話してもトリックが分からないため、諦めたように小さくため息をつく。
「…………。」
("先入観″で…見えなくなる、か…)
そんな中コナンは小五郎の言葉の1つが引っ掛かり、眉を寄せて何かを考えるように顎に手をあてた。