「大海の奇跡」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ねぇ……名前?」
キッドのトリックについて考えていたため、黙りこんでいた名前の方にくるりと振り返る園子。
「……え、何?」
今まで蘭と一緒に壁の傷を見ながら、ああでもないこうでもないと推理を繰り広げていた園子が、突然自分に向かって振り返って来たため名前は僅かに目を見開く。
card.413
「……園子、どうしたの?」
「名前は、この傷見て何か思いつかないの?」
「え?」
園子の問いに、名前は不思議そうに首を傾げる。
「この壁の傷と、キッド様が歩いたトリックよ!」
「ああ、そうだよね!名前も、いつも新一に負けず劣らずの推理してるもんね!何か思いつかない?」
園子に続けて、蘭も名前に期待の眼差しを向けてくる。
「………えー、私あんな推理馬鹿の新一みたいに推理してるつもりないんだけどな……」
「…………。」
(こいつ……推理馬鹿は余計だろーが)
コナンは黙って話を聞きながらも、笑顔で蘭達と話す名前にジト目を向ける。
「そんな事ないわよ!!今まで名前って事件に巻き込まれるの嫌がってたけど、最近は結構活躍してるじゃない?」
「そうよね!新一君がいなくなったくらいからかな?」
「……そうかなぁ」
(それは、新一の正体がバレないように仕方なくというか……快斗が絡んだ事件だった時には、自分から首を突っ込んで行ったっていうか……)
名前は、園子と蘭の言葉に困ったように苦笑しながら視線をさ迷わせる。
「…………。」
(確かに、こいつが事件に関わるようになり始めたのは俺がコナンになってからか。事件に関わるようになったのは、俺の為でもあるんだよな……きっと)
今は喧嘩中ではあるが、いつも自分を心配してくれている名前の横顔を、コナンは困ったように見つめる。
「…………。」
(まぁ、最近は"あいつ絡み″で…っていう事が多いんだろうけどな)
コナンはそこまで考えると、小さくため息をついて口を開く。
「名前姉ちゃんも、まだ考え中なんでしょ?怪盗キッドのトリック!」
「…え?」
名前は、突然コナンから話しを振られて目を見開く。
「小五郎のおじさんだって、まだ解けてないんだもん!難しいトリックなんだよ!……ね、おじさん?」
「お?あぁ……なかなかやるよなぁ。あのコソ泥!ハーハハッ!」
急に話しを振られた小五郎は、焦ったように笑いながら誤魔化す。
「まぁ、そうよね。あのキッド様の考えるトリックだもんね。そんな簡単に解けるわけないか~」
しかし園子は、コナンと小五郎の会話に納得したように頷く。
「仕方ないから…もう1回みんなで考えようか?」
蘭のその言葉で、小五郎を含む園子達3人は再び壁の傷を見つめながらトリックを考え始める。
「…………新一」
園子達から少し離れたところに立つ名前の足元に、スッとコナンが並ぶ。
「本当は、さっき何か思い付いたような顔をしてただろ?」
「……え、」
「でも…あいつのトリックが解けてたって、オメー言えるわけねーもんなぁ」
「!?」
コナンはそれだけ言うと、蘭達に近づいていく。コナンの言葉は厭味のようにも取れるが、その口調は優しく名前に語りかけるようなものだった。
(だから、わざと話しを逸らしてくれたの?新一……)
名前は、蘭達と笑顔で話すコナンをジッと見つめていた。