「大海の奇跡」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「だって、そんなに簡単に人が空を歩けたら…鳥さん達がビックリしちゃうでしょ?だから、絶ーっ対何かあるはずだよ!!」
コナンは、蘭に拾ってきた帽子を手渡しながら無邪気な笑顔でそう告げた。
card.412
「と、鳥さんって…」
「あら、可愛いこと言うのね…コナン君ったら」
コナンの言葉に園子は目を点にしているが、蘭は子どもらしい発言に微笑ましそうにしながら帽子を受け取っている。
「………ふふ、」
「…おい、何だよ」
(さすがに、今のはちょっとガキっぽ過ぎたか……)
名前はコナンの台詞を聞いて、今のコナンとの気まずい状況も忘れて思わず小さく笑ってしまう。コナン自身も、自分の発言が子供っぽさを演じすぎた事を自覚して軽く頬を染めながら、名前をジト目で見る。
「フンッ、ガキはキッドのマジックで鳥と一緒に驚いてろってんだ!」
「そのトリックはまだ分からないけど、それを仕掛けた跡なら見つけたかもしれないよ!」
「!!」
コナンが笑顔で小五郎に告げた言葉を聞いて、名前は緩んでいた頬をキュッ引き締めてコナンを見つめる。
「ほら、あそこの壁についた何かが引っ掛かったような傷!!あれって、まだ新しいからキッドが残した傷だったりして……」
そんな名前を尻目に、コナンは笑顔で傷がある壁の元へ小五郎を連れていく。
「………。」
(壁に傷か…。予告時間前に仕掛けがバレちゃったら、まずいんじゃないかしら…?)
名前は思わぬ展開に、心配気に眉を寄せながら壁の傷を確認する小五郎とコナンの様子を見つめた。
-
--
---
-----
-------
「え!?そっちにもある?本当にそっちのビルにも、似たような傷があるのね?」
コナンが見つけた壁の傷が、向かいのビルにもあるのではないか…と、園子が携帯で向かいのビルの屋上にいる警備員に確認する。
『はい!真新しい引っかき傷があります……』
「分かったわ、ありがと!」
園子は携帯を切ると、コナン達と並んで壁の傷を眺める。
「それにしても、何なのかしらね。この傷……」
「もしかして、ワイヤーをこっちとあっちのビルに渡してあったんじゃない?きっとそれを使って、キッドは宙に浮いているように見せかけたのよ」
「それはねぇよ!!昨夜、向こうのビルに登った中森警部が言ってたよ。……屋上には、ワイヤーなんてなかったってな!」
小五郎が蘭の推理をサラリと否定しながら、ビルの先にある美術館に目を向ける。
「それに、そんなんで吊されてたら歩けねぇだろーが!」
「あ、そっか…」
「じゃあ何なのかしらね…?」
園子と蘭達はしゃがんで壁を傷を見つめながら、キッドのトリックをアレコレ考えている。
「……………。」
(うーん。壁の引っかき傷に、キッドのの昨日の歩き方か。寺井さんも手伝ってるなら……もしかして)
名前は、そんな園子達の少し後ろで昨日のキッドの姿を思い浮かべながら考えを巡らせていた。