「大海の奇跡」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
---ババババ…
『ご覧ください!!空を覆わんばかりの、このヘリコプターの数!!』
コナンが帽子を取りに行っていた頃、名前達の座る机に置かれている小型テレビには、「怪盗キッド生中継!予告時間まで、あと2時間54分」と表示された特番が映し出されている。
『そして、この周辺一帯に配置された無数の警備員!!これらは、まさに鈴木財閥が威信をかけて集結させた精鋭部隊!!こんな警戒の中、果たして彼は本当に来るのでしょうか?鈴木大博物館屋上に飾り付けられた"大海の奇跡″を盗むと予告する………あの怪盗キッドは!!』
card.411
「来るよ、来る!来るに決まってるでしょー!!」
園子は、テレビのアナウンサーの言葉に頬を染めながら声をあげる。
「とても宝石を狙われてる鈴木財閥のお嬢様の台詞とは思えねーな」
そんな園子を見て、小五郎は呆れたように呟く。
「だーって、相手はあの怪盗キッドよ!!本当は、"博物館の屋上で、宝石がくっついているあの女神像を私が抱えて待ってようか?″って言ったんだけど……次郎吉おじ様が許してくれなくてー」
「…………。」
「まさか…園子、そのまま宝石と一緒にさらわれちゃう気だったんじゃ…?」
「そうそう!!」
蘭が戸惑いがちに尋ねた言葉に、園子は当然だというように頷く。
「そして…囚われの身となった私を真さんが助けに来てくれるわけ!!はぁーっ!!2人の男に取り合いにされちゃうなんて……園子、困っちゃーう!」
「「……………。」」
頬を赤く染めてブンブンと顔を振る園子を、小五郎と蘭は呆れたように見つめる。
「まぁ…京極さんは、園子のためなら助けに来てくれそうだけど。怪盗キッドが、わざわざ園子をさらうメリットはないわよね」
そんな園子に向かって、名前は珈琲に口をつけながらポツリと告げる。
「なによー!!名前ってば、最近私に冷たくない?」
「そんな事ないわよ?」
名前は園子にジロリとジト目で見られるが、平然と微笑んでみせる。
「……そうかなー?」
「まぁまぁ…園子も!あんまり冗談ばかり言ってないで……園子一筋の京極さんに悪いわよ」
納得いかないような表情で呟く園子を、蘭が苦笑しながら窘める。
「…………。」
(…私ってこんなに嫉妬深かったかしら?ちょっと気をつけないと…)
そんな蘭と園子の会話を聞きながら、名前は思わず口から出てしまった自分の発言を振り返って、反省しながら小さくため息をつく。
「……しかしまぁ、この尋常じゃない警備態勢も無理ねーか。昨夜、下見だと予告してこのビルの真横に身体を浮かべて現れ……そのまま空中を歩いてあの博物館の側まで迫り、突然消えたあの大怪盗を捕まえようってんだからな…」
小五郎は、チラリと屋上から見える博物館周囲の警官やヘリの数を見ながら呟く。
「本当に。昨日は、タネも仕掛けもございませんって感じで歩いてたもんね!」
「…タネや仕掛けはあるんじやない?」
蘭が興奮気味に昨晩のキッドの様子を話していると、ふいに足元から声が聞こえる。
「…………コナン君」
(この顔、何かわかったのね)
名前が、声がした方に視線を向けると、そこにはニッコリ笑ったコナンの姿がある。名前は、その表情を見て僅かに目を見開いた。