「大海の奇跡」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ま、さすがにキッドが現れたそばのビルの屋上だけに、俺達以外は警備員しか入れてねぇみたいだな」
椅子に座った小五郎は、辺りを見渡してそう呟く。屋上には小五郎や名前達以外には、スーツを着た数人の警備員しかいなかった。
card.410
「………。」
(しかし分からねぇ……一応あの後、ヘリが撮った映像を見せてもらったけど、妙な物は何も写っていなかった…)
コナンは、昨日の夜キッドが現れた辺りをチラリと見て考えこむ。
(しかも、あの後奴は空中で姿を消しやがった。一体どうやって……)
「…………。」
(新一、なんか凄い考え込んでるわね。キッド今日も大丈夫だと良いんだけど…大丈夫かしら)
名前は真剣な顔で考え込むコナンを見て、小さく息をつく。
(そういえば、今日も新一と全然喋ってないわね……)
これからキッドとして現れる快斗の身を案じながらも、名前の頭の中では次第に快斗の事に加えて新一の事など、様々な考えがぐるぐると頭の中でまわりり始める。
---ビューッ!!
「キャッ!」
名前とコナンが、それぞれ考え込んでいると、ふいに強い風が吹いて蘭が小さく声をあげる。
「あ…帽子が、」
その強い風で、蘭の帽子が勢い良く飛んでいく。
「蘭姉ちゃん、僕取って来るよ!」
「ごめん、コナン君!」
コナンはいち早く席から立ち上がると、飛んで行った蘭の帽子を追いかける。
「………。」
(新一……素早い。)
「ったく、何とかなんねーのか?このヘリの風…」
名前が帽子の後を追うコナンの背中を見送っている隣で、小五郎が小さくため息をつきながら呟いた。
---タタタ…
「………ん?」
帽子を追いかけていたコナンは、帽子が飛んで行った先にあった壁を見て小さく眉を寄せる。
(これは傷か?何かが引っ掛かったような…)
コナンは帽子を拾った後、傷のついた壁に近づくとその場にしゃがんで傷を確かめる。
(しかも、この傷まだ真新しじゃねーか!!)
そして、その傷を見たコナンはニヤリといつもの不敵な笑みを浮かべた。