導入編(オリジナル)
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「…名前!」
職員室に向かう階段を降りていた名前は、後ろから自分を呼ぶ声にピクリと反応して足を止めて振り向いた。
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「……快斗?」
振り返ると廊下の窓から入る陽射しに照らされた快斗が、僅かに息をつきながら立っている。名前の位置から見上げると、逆光になってしまい快斗の顔がよく見えない。
ぼんやりと快斗の事を見上げている
名前の元に、軽やかに階段を駆け降りながら快斗が口を開く。
「名前、悪ぃな…俺も今日日直だったんだよ!一緒に職員室に………ん、どうした?」
階段の下の段にいるため、自ずと上目遣いで自分の顔を見つめる名前に、快斗は僅かにドキリとしながら尋ねる。
「……あ、いや何でもない」
(今、私を呼んだ快斗の声……やっぱりあの時と同じ…)
「あー……っと、快斗も日直だったの?」
名前は自分の考えがまた一歩確信に近付いた気がして、一瞬考え込んでしまったが、不思議そうに自分を見つめる快斗に気がつくと、それを悟られないようになるべく普段通り声をかける。
「ああ…前の奴が休んだから順番ずれててさ、さっき清人に言われるまで気付かなかったんだよ」
名前に並んで階段を降りはじめた快斗は苦笑しながらそう説明する。
「でも良かった。初めての日直で分からないことも多いから、快斗が一緒なら安心だわ」
「ー!」
快斗は嬉しそうに微笑む名前に小さく息をのむ。
「あー、」
そして自分の顔に熱が集まっているのを感じて、それを誤魔化すように小さく声を出して頭をガシガシと掻く。
「…快斗?」
「俺さ、」
快斗は小さく咳ばらいした後に、鼻を擦りながら口を開く。
名前は、そんな快斗の様子に小さく首を傾げながら次に続く快斗の言葉を待つ。
「俺さ…なんか名前が俺以外の奴と関わったり、仲良くしたりしてんの…面白くないんだよな」
快斗は林の名前を名前が呼んだ時の違和感を思い出しながらも、少し茶化したようにそう言って、名前に視線を向ける。
「…だからさ、何でも良いからまずは俺に最初に言ってよ」
「え?」
「困ったことでも、頼みたいことでも何でも良いからさ…だから、他の奴のとこなんて行くなよ?」
ニヤリと笑った快斗の言葉に、今度は名前が小さく息をのんで、頬を赤く染める番だった。