「大海の奇跡」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
--ドサッ…
「はぁー、疲れた」
鈴木財閥の博物館から電車を乗り継いで、ようやく名前の部屋に辿り着いた快斗は、ドサッとソファに倒れ込む。
「………お疲れ様」
(確かに…あんな大勢の前で怪盗キッドの仕事をした後だもんね。疲れるわよね)
名前は、そんな快斗の姿に小さく苦笑した。
card.406
「それにしても、快斗から、"帰り一緒に帰ろう″なんてメールが来た時には驚いたわ」
名前は、着ていた上着をハンガーにかけながら快斗に声をかける。
「なんでー?」
「あら……だって、今までは当然のように私より先に部屋に入って待ってたじゃない」
名前はクスクス笑いながら、快斗が横になっているソファの空いているスペースに腰をおろす。
「だから私に会うにしても、寺井さんと帰った後に自分でここに来てるだろうな、と思って」
「やー、今日のジィちゃんの役割的に、ジィちゃんも後始末があるだろうから一緒には帰れねーんだよな」
「?」
「それにさー、今日は俺すっげぇ頑張ったから早く名前ちゃんに感想を聞きたかったんだよ!!まぁ、結局…今のところは、名探偵の話しかしてないけどさ」
快斗は、そう言いながら名前の膝に頭を乗せて名前を見上げる。
「それは……ごめん?」
名前は、拗ねたような顔をして自分を見つめる快斗を見て苦笑しながら言葉を返す。
「それで、それで!?……どうだった?今日の俺!!」
「今日のキッドはね、」
名前は感想を口にしようと、空中を歩く快斗の姿を思い出したところで、ふいに言葉を切る。
--ウォォォォ!!!
--さすが、キッド様!!キャーッ!!キッド様素敵!!--
「……………。」
「名前ちゃん?」
急に黙りこんでしまった名前を、不思議そうに快斗は見つめる。
--馬鹿ね!!キッド様は、みんなのアイドルみたいなもんじゃない!!別の世界の人間なの!!--
--Ladies、and……Gentlemen!!!さぁ……今宵の前夜祭、我が肢体の繰り出す奇跡をとくと御覧あれ…--
「おーい、名前ちゃん?」
「………え?」
ぼんやりとしていた名前は、2回名前を呼ばれてようやく快斗と視線を合わせる。
「どうしたんだよ、急に黙っちゃって……何か気になる事あった?」
「あ…ううん。今日の快斗ね…凄いかっこ良かったわよ」
名前は誤魔化すように小さく微笑んで、先ほどの快斗の質問に言葉を返す。
「……なんか、やけに適当な言い方じゃねー?」
「そんな事ないわ。本当に…本当に、かっこ良かったわよ」
名前は、自分の膝の上にある快斗の髪に触れながら小さく微笑んで改めてそう返す。
「…………。」
快斗はそんな名前の顔をジッと見つめた後に、優しく名前の頬に触れる。
「……オメー、なんか隠してるだろ?」
「え…」
名前は、突然の快斗の言葉に目を見開く。
「……ほら、ここに皺寄ってるじゃねーか。何かあるなら無理しないで言えって」
快斗は、触れていた頬から指を滑らせて名前の眉間に触れながら、言葉とは裏腹に優しく言葉をかけた。