「大海の奇跡」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「しかし、何でそんなに怪盗キッドを?」
やけにキッドに執着する次郎吉に、中森は不思議そうに尋ねる。
「…………。」
(確かに…それは気になるわね)
名前も中森と同じ疑問を抱いていたため、次郎吉に視線を向けた。
card.403
中森の問いを聞いて、次郎吉は小さくため息をついた後に口を開く。
「……皆も知っておろう。ワシが今までに築き上げてきた栄光の数々…」
「………。」
(確か、最年長でエベレスト登頂とか…フリーダイビング新記録とか…いろいろあったわね)
次郎吉との面識はなかったが、今まで世間を騒がせてきた次郎吉の偉業は、何度か新聞やニュースで見たことがあったため、名前は頭の中で思い返していく。
「それらは、いつも新聞の一面を飾ってきた。……たった一度を除いてな!」
次郎吉は昔を思い返すように、上を見上げながら呟く。
「ま…まさか、それが…」
小五郎は、そこまで聞いて何かを思いついたのか目を見開く。
「……そうじゃ!!あの盗賊に、一面どころか二面まで取られ"人力飛行機世界一周″という、ワシの大快挙が三面の片隅に追いやられたのじゃ!!」
「…………。」
(そんな理由か…)
コナンは、ワナワナと怒りに震えながら理由を語る次郎吉を呆れたように見つめる。
「………。」
("盗賊″って……似たような意味だけど、そこはちゃんと"怪盗″って呼んでほしいな…)
名前は華麗に宙を舞う"白い怪盗″である自分の恋人の姿を思い浮かべながら、次郎吉の言葉に小さく苦笑する。盗賊と言われてしまうと、急に賎しいイメージに変わってしまう気がする。
「わかるか!?この屈辱!!この切ない気持ちが…汝に分かるか!?」
呆れる名前達を尻目に、次郎吉は鬼の形相で小五郎に詰め寄っている。
「…………。」
(ちょっと分かるかも……)
小五郎はと言うと、困ったように次郎吉に相手をしながらも心の中で次郎吉の想いに共感していた。
「ちょっと、おじ様……」
キッドへの怒りを語り出して、どんどんヒートアップしていく次郎吉を、園子が苦笑しながら落ち着かせる。
「彼奴を引っ捕らえた暁には、この鈴木次郎吉…再び一面に返り咲いてくれようぞ!!!」
そんな園子の言葉にも耳を貸さず、次郎吉はグッと拳を握って大声で言い放った。