「大海の奇跡」編
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「今日も相変わらず、キッド様は凄かったわね!」
「うん。空中を歩き始めた時には驚いちゃったね!」
蘭と園子は、空中からキッドが消えた後も興奮が冷めない様で、未だにキッドの話で盛り上がっている。
「本当……かっこ良かった」
「「…………え?」」
そんな2人は、ふいに後ろから聞こえた小さな呟きに目を見開いて振り返った。
card.400
「名前?」
「名前が、怪盗キッドを褒めるなんて珍しいわね」
「!!」
ぼんやりとしていた名前は、園子と蘭の言葉に、ハッと小さく息をのんで我に返って口元に手を当てる。
「……え?」
「え?…じゃないわよ。今キッドのこと、かっこ良かったって言ったでしょ?」
「…………。」
(私……そんな事を口に出して言ってたのね…。無意識だったわ)
名前は、蘭達の言葉に困ったように小さく視線をさ迷わせた後に、曖昧に微笑む。
「うそー?……私そんな事、言ったかしら……あ、ほら!中森警部とコナン君が戻って来たわよ」
名前は半ば無理矢理に園子達の言葉を受け流すと、ワゴン車に戻って来た中森とコナンに視線を向けて話題を逸らす。
「……あら、本当だ」
「コナン君、何か分かった~?」
蘭と園子は名前の返事に、どこか納得しないように小さく首を傾げながらも、ワゴン車に戻って来たコナン達に声をかける。
「…………。」
名前は、蘭達と笑顔で話すコナンをしばらく見つめた後に、何とか誤魔化せた事に安堵して小さくため息をつく。
(……私、どうしてこんなに……?)
名前は、何故かいつになくドキドキと高鳴る自分の胸をギュッと掴みながら、自分らしくない失敗に首を傾げる。
--Ladies、and……Gentlemen!!--
---ドクン、
--ウォォォォ!!!
---ドクン、
--さぁ……今宵の前夜祭、我が肢体の繰り出す奇跡をとくと御覧あれ…--
名前は、鳴り止まない自分の鼓動と共に、先程までのキッドの様子を思い返して小さく目を見開く。
「…………。」
名前の頭には、口元に笑みを浮かべる白い衣に身を包んだ怪盗キッドの姿ともに、轟くような野次馬達の歓声が響き渡る。
「…………。」
(そうか……私……)
そして1つの可能性が思い当たると、名前は困ったように苦笑した。