「大海の奇跡」編
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---ウォォォォ!!
頭上をヘリに陣取られても尚、優雅に佇むキッドの姿に野次馬の熱気は更に加熱する。
「………。」
(凄い歓声……)
ワゴン車まで轟くように響くキッドコールや歓声の声に、名前は小さく苦笑した。
card.398
「上じゃないって事は…」
人混みの中キッドを見上げている中森は、何かを思いついたように小さく呟く。
「…………。」
((……横!?))
中森の足元にいたコナンも同じ事を考えていたのか、中森が呟いたのと同じタイミングでニヤリと笑う。
(そうか!!ビルの間にワイヤーを通して、身体を吊ってるんだな!)
--ダッ!
コナンは、そう思いつくと同時に勢いよく駆け出していく。
「よーし!ワシは左のビル、お前は右のビルの屋上に行って、ワイヤーを見つけだせ!!」
「は…はい!!」
コナンが駆け出して行った後に少し遅れて、中森達も左右のビルに別れて駆け出していく。
---ダダダダ!!
「キッドの野郎!!ナメた真似しやがってっ!!」
--バンッ!
中森は勢い良くビルの屋上の扉を開けて、吹き付けるヘリの風を受けながらも、真っ直ぐ屋上のフェンスに向かう。
---バババババ!!
「ふんっ!!所詮、手品は手品。タネさえ分かってしまえば………なっ!?」
中森はニヤリと笑いながらフェンスに近付いてキッドを見下ろすが、キャーッの姿を視界に捉えると驚愕の表情を浮かべる。
「……な、ない!?ワイヤーなんて…どこにもないじゃないか!?」
中森が見下ろすキッドの身体には、どこにも身体を支えるワイヤーは見当たらないのだ。
『……ザザ…中森警部、こっちのビルからも何も出ていませんが…』
そんな中森に追い撃ちをかけるように、トランシーバーに向かいのビルに向かった部下からの通信が入る。
「!?」
(馬鹿なっ!?じゃあ、奴は一体どうやって…どうやって宙に!?)
中森の向かい側のビルの屋上にいるコナンも、宙に浮かぶキッドの姿を眉を寄せて見つめている。
「……オホン、」
そんなコナン達を尻目に、キッドは小さく咳ばらいをして両手をスッと広げる。
「Ladies、and……Gentlemen!!」
---ウォォォォ!!!
両手を広げて舞台のパフォーマンスのように、大声でそう叫ぶキッドに野次馬達の歓声は更に大きくなる。
「さぁ……今宵の前夜祭、我が肢体の繰り出す奇跡をとくと御覧あれ……」
そんな中、キッドはスッとシルクハットを掴みながら不敵な笑みを浮かべた。