「大海の奇跡」編
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---ザワザワ
「コラッ!どけっ!どかんかーっ!」
ワゴン車が車を出た中森は、大勢の野次馬の間を大声をあげながら進んで行く。
「おい、奴はどこだ!?」
「そ、それが…ビルの間を横切った後、出てこなくて……」
ようやく人混みを抜けて、ビルの裏側にたどり着いた中森は、ビルの裏側に配備されていた警官と何とか合流する。
「…………。」
(さぁ、出て来いよ…怪盗キッド!!地上に降りなきゃ、"歩けねぇぜ″…!)
中森に続いてワゴン車を降りたコナンも、姿の見えないキッドに心の中で問い掛けながら辺りを見渡す。
---ポンッ!
「え……?」
辺りを見渡していたコナンは、ふいに上空に響いた小さな破裂音に反応して上空を見上げる。
---ザワザワ!!
「な、なにっ!?」
そこには満天の月を背に、不敵な笑みを浮かべて上空に浮かぶ怪盗キッドの姿。それを見たコナンは目を見開いた。
card.397
「う……浮いてる?」
コナンが見ているキッドの姿を、ワゴン車のモニターで見ていた名前は、空に浮かぶキッドの姿に思わず目を見開いて呟く。
---ウォォォォ!!
ワゴン車の中には、キッドの姿を見た野次馬達の歓声や、驚きの声がモニターを通してではなく、直接名前の元まで響いてくる。
「そ…そんな、馬鹿な…」
ワゴン車の外に出た中森達も、宙に悠然と佇むキッドの姿に目を見開く。
「………。」
(生身の人間が、重力に逆らって……宙に浮けるわけがない!!)
コナンは、真剣な表情で宙に浮かぶキッドを見つめる。
「騙されるな!!これは、まやかしじゃっ!キッドは、黒いアドバルーンか何かで上空からワイヤーで身体を吊ってるだけに過ぎん!!」
ワゴン車では、次郎吉がうろたえるスタッフを大声で叱責する。
「上じゃ!!近くのヘリは、彼奴の頭を取って確認せぃ!」
『……ザザ…7番機、了解しました!!これより、怪盗キッドの頭上に移動します!』
次郎吉の指示に従い、1機のヘリから通信が入る。
「ちょ、ちょっとおじ様!!そんな事したら、ワイヤーがヘリのプロペラに絡まって大変な事になっちゃうんじゃない!?」
「フン…彼奴とて、そのぐらいの事は想定しておるよ。どうせ、ヘリが近付いたらワイヤーを切って飛ぶ気じゃろう。得意の白いハンググライダーで…」
「…………。」
(快斗……)
名前は、モニターに映る来て下さいの頭上に、どんどんヘリが近付いて行くのをジッと見つめる。
---ババババ!!
「!?」
「なっ!?」
しかし7番機がキッドの頭上にたどり着くと、次郎吉や名前はおどろいて目を見開く。
『こ…こちら7番機!!キッドの頭上には何も……』
「な、何じゃと?」
7番機に設置されたカメラからは、キッドの姿を頭上から映した映像がモニターに映し出される。
そこには、次郎の言うような黒いアドバルーンも何もない状態で、キッドが宙に佇んでいる。
「キャーッ!さすがキッド様!!」
「す……ごい」
園子が大声で歓声をあげる横で、名前は思わずポツリと感嘆の声をあげた。