「大海の奇跡」編
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「キッド様ーっ!キャーッ!」
「………園子煩い」
隣で歓喜の声をあげる園子にため息をつきながら、名前はモニターに映る怪盗キッドの姿を見つめて小さく微笑んだ。
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「キッド様素敵!!」
園子は、モニター画面に映る怪盗キッドを見つめて嬉しそうに声をあげ続けている。
「………。」
(キッド様ね……)
名前は、そんな園子を複雑な気持ちでチラリと横目に見る。
「このまま私も奪い去ってほしいーっ!」
「……キッドが園子を拐って何になるのよ」
「ちょっと、名前?何で急に不機嫌になってるのよ」
思わずポツリと呟いた名前の言葉を聞いて、園子は名前に視線を向けて不思議そうに首を傾げる。
「別に?そんなにキッドが好きなの?」
「当たり前じゃないの!!」
「……京極さんは?」
「馬鹿ね!!キッド様は、みんなのアイドルみたいなもんじゃない!!キッド様と京極さんは、別の世界の人間なの!」
「ふーん、そういうものかな」
当たり前のように言い切る園子の言葉に、名前は何となくスッキリせずに小さく呟く。
「?」
園子はそんな名前の様子に首を傾げるが、それ以上名前が何も言う様子がないため、再びモニターに視線を戻す。
「…………。」
("みんなのアイドル″で、"別の世界の人間″か……それ、"私の″恋人なんだけどな……一応)
名前は園子の言葉を思い返しながら、小さくため息をつく。
「…………。」
そんな名前の小さなため息に唯一気づいたコナンは、チラリと名前に目を向けた。
「おい!!どれだっ!?この映像は、どのヘリから撮ってんだ!?」
中森は、モニターを管理しているスタッフに鬼の形相で詰め寄る。
「な…7番機です!!場所は、博物館の裏手かと……」
「裏だとぉ!?」
---ダッ!!
中森は、その言葉を聞くや否やワゴン車を飛び出して行く。
「あ…コナン君っ!?」
そんな中森の後を、蘭の制止も聞かずにコナンもすかさず追い掛けていく。
「………。」
(新一も行ったか…)
名前は、そんなコナンの背中を黙ったまま見つめて見送る。
中森とコナンが出て行ったワゴンの中では、モニター画面越しにどんどん近付いて来る怪盗キッドの姿を見て慌てたスタッフが、くるりと振り返る。
「相談役!どうしますか?念のため、例の仕掛けを作動させて女神像を中へ…?」
「ええい!うろたえるなっ!!今夜はただの下見、盗られやせん!!」
「………。」
(例の仕掛け…?)
キッドの登場に慌てるスタッフに、次郎吉は大声で言葉を返す。名前そんなやり取りを聞いて、僅かに眉を寄せながらモニターを見つめる。
「それに、彼奴は歩いて来ると予告した。拝見しようじゃないか、月下の奇術師と謳われた大泥棒の出方を…!」
「………。」
--blueWonderの名の如く歩いて頂きに参上しよう……--
(歩いて……か、)
--土曜日……楽しみにしてろよ!!絶対名前も驚くから!--
(快斗…頑張ってね)
どこかスッキリしない気持ちを抱えながらも、名前はモニター越し近付いてくるキッドが無事に仕事を終えられるように、心の中でエールを送った。