「大海の奇跡」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「すごーい!!」
「まるで、TV局の中継車ね!」
名前達がワゴン車に入ると、中には所狭しと機材や無数のモニターが置かれていて、数名のスタッフがモニターに映る映像を確認していた。
card.395
「おや、名前ちゃんじゃないか!今日は君も来てたのか」
ワゴン車に入って来た名前を見つけた、青子の父親である中森が声をかけてくる。
「中森警部、お疲れ様です…お邪魔しちゃってすみません。いつも大変そうですね」
名前は、ペコリと頭を下げながら苦笑する。
「まったくだよ!あの怪盗の相手だけだって大変なのに、今回はこのジィさんがこんな大騒ぎにしちまって」
中森は大きくため息をつきながら、次郎吉に目を向ける。
「……初めまして、園子さんの友人の名字名前と言います」
名前は次郎吉と目が合うと、小さく頭を下げながら自己紹介する。
「おお!園子から話は聞いとるよ。おぬしも、なかなか頭がキレるらしいからの……彼奴をお縄にかけるために協力してくれ!」
「………善処します」
(張り切ってる警部や次郎吉さんには悪いけど、キッド……快斗を、捕まえさせるわけにはいかないんだけどな)
名前は苦笑しながら、当たり障りのない言葉を返す。
「…………。」
コナンは、そんな名前の横顔を呆れたように見つめている。
「ほれ、見てみろ!ヘリからの映像だけじゃない。博物館内、100ヶ所に備え付けたカメラの映像も全てここで把握できるのじゃ!」
次郎吉は、中森達にワゴン車内の機材の説明を始める。
「……お、おいおい!館内には誰もいないじゃないか!?」
中森は、モニターに映る館内の映像を見て目を見開く。
「今までが、おり過ぎたんじゃよ!これなら、彼奴が誰かに変装したとしても一目瞭然じゃろ?」
「し、しかし……」
「博物館の全ての扉の開け閉めは、ここから操作可能じゃ。女神像のある最上階に彼奴がたどり着いても、閉じ込められるのが関の山じゃ……」
次郎吉はどこか不満気な中森に向かって、自信満々でそう告げる。
「………ふぅん」
名前は次郎吉の説明を聞きながら、ワゴン車内をぐるりと見渡す。
--素人相手に負けねーから!--
「…………。」
(快斗の事は当然信じてるけど……次郎吉さん、相当気合い入ってるみたいだし……何より新一もいるし。何事もなく無事にすむと良いんだけど)
「ま……彼奴が、予告通りに来ればの話じゃがな!!ハーッハハ!」
心配する名前を尻目に、次郎吉は余裕の笑みを浮かべる。
「あ……」
ふいに名前の足元で、コナンが小さく声を上げる。
「?」
「来たみたいだよ……」
名前が首を傾げてコナンに視線を向けると、コナンは1つのモニターを真剣な表情で見つめている。
「…………キッド」
コナンが見つめるモニターには、まばゆい満月を背にハンググライダーで優雅に宙を舞う、怪盗キッドの姿が映っている。
「か…怪盗キッド!?」
名前の横では、モニターに映るキッドを見つめて園子が嬉しそうに声をあげた。