「大海の奇跡」編
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card.394
「わあ!!結構、人が集まって来たわね」
「あと少しでキッド様の予告時間だもの!!それにしても、名前ったら何してるのかしら?」
蘭が大勢の人に圧倒されるなか、園子は未だ姿を見せない名前を探して小さく呟く。
「うーん、名前の事だから大丈夫だと思うけど……」
「あんたか!?こんな騒ぎを巻き起こした張本人は!?」
そんな蘭と園子の会話を遮るように、中森警部が次郎吉に大声で詰め寄っている。
「あんたんトコの、あのヘリ達をどうにかしろ!!あれが邪魔で、警察のヘリが飛べないだろーが!」
上空に飛び回る無数のヘリを見ながら、中森は呆れたように告げる。
「警察のヘリなんぞいらんじゃろ?キッドは、歩いて来ると予告しておるんじゃから」
しかし次郎吉は、中森の勢いにも負けじと平然と答える。
----タタタ!
「………蘭、園子!」
蘭達が苦笑しながら中森と次郎吉の会話を聞いていると、後ろから自分達を呼ぶ声が聞こえてくる。
「ごめんね、遅れちゃった…」
くるりと振り返って見ると、小走りで自分達に駆け寄って来る名前の姿。
「あ、名前!」
「遅いじゃない!!」
「……ごめんなさい、キッドが来るからってあちこちお祭り騒ぎで…道が凄い混んでるのよ」
名前は小さくため息をついて、そう言いながら周りを見渡す。
「……それにしても、本当に凄い人とヘリの数ね」
「ああ、アレはうちのおじ様が用意したヘリよ」
「ほら、あそこで中森警部と話してるのが園子のおじさんの次郎吉さんよ」
名前は、蘭の言葉を聞いてチラリと中森達の方に視線を向ける。
「……でも、どうしてヘリをこんなに?」
(あの人が、あの朝刊のメッセージの人か)
名前は初めて見る園子の親戚を見つめながら、不思議そうに首を傾げる。
「なんかね、自伝映画用の撮影ヘリなんですって」
「自伝……映画?」
サラリと答える園子の言葉に、名前と蘭は目を丸くする。
「……蘭姉ちゃん!!次郎吉さんが、ワゴン車でヘリの映像見せてくれるって!おじさんも行くみたいだよ」
そんな会話をしていたタイミングで、いつの間にかそばに来ていたコナンが蘭の足元から声をかける。
「あら、じゃあ私達も行きましょうか」
「そうね」
コナンの言葉に、蘭と園子は大きなワゴン車に向かって足を向ける。
「オメー、今回のキッドの仕掛け知ってんのか?」
そんな蘭達の後ろを歩く名前の足元で、コナンがいつもの調子で名前に尋ねる。
「……さぁ、知らないわ」
しかし名前は、端的そう告げるとスタスタとワゴン車に向かってしまう。
「…………はあ、」
(我ながら、この態度は…大人気ないとは思うけど…)
名前は、コナンに対する自分の態度にため息をつきながらも、何となく気まずくて素直に会話を出来ない。そんな気持ちを抱えながらも、結局コナンには視線を向けられないままワゴン車の中に入っていく。
「…………。」
一方コナンも、そんな名前の背中を見つめて小さく頭を掻きながら深いため息をついた。