「大海の奇跡」編
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---ババババ…
日が沈んだ潮留の空には、無数のヘリがライトで辺りを照らしながら飛び交っている。
「チェックだ!チェック!!この博物館に通じる全ての道に検問を敷いて、不審な輩を1人も通すな!」
マスコミや警官、大勢の野次馬達でザワザワとザワめく鈴木財閥の博物館の周辺には、1人の男の大声が響いている。
「なに!?キッドかどうかの見分け方がわからんだと!?引っ張りゃいいんだよ、顔を!!どーせ、奴は変装してんだから!!」
card.393
「今日も張り切ってるわねー、中森警部」
人込みの中で声を張り上げる中森の姿を遠目から見ている蘭達は、感心したように見つめている。
---ドドド…
「らーんっ!!」
そんな蘭の元に、次郎吉が運転するハーレーのサイドカーに乗った園子が手を振りながら近付いてくる。
「…………。」
(はは、この人混みの中で派手な登場だな)
コナンは近付いて来る次郎吉と園子を見て、小さく乾いた笑いを浮かべる。
「キッド様来た?」
次郎吉がハーレーを路肩に止めると、園子はつけていたゴーグルを外して、蘭達の元に近づきながら尋ねる。
「ううん、まだよ」
「良かった!間に合って。おじ様、紹介するわね。このチョビヒゲのおじさんが、蘭のパパの眠りの小五郎さんよ!」
「おい、チョビヒゲだと…?」
「おお、お噂はかねがね!」
園子の紹介に不服そうな表情の小五郎ではあるが、グッとこらえて初対面の次郎吉と挨拶を交わす。
「あれ?蘭…名前はまだ来てないの?」
大人同士の挨拶は次郎吉達に任せたようで、園子は何かを小五郎と話している次郎吉には構わず蘭に声をかける。
「うん。さっき今から向かうって連絡が来てたから、そろそろ来ると思うんだけど」
蘭は携帯を見ながら首を傾げる。
「えっ……今日名前姉ちゃんも呼んだの?」
コナンは、そんな蘭達の会話に目を見開く。
「うん。そうだけど……コナン君どうかしたの?」
「名前を誘うのはいつもの事じゃない!」
名前が来る事に驚くコナンに、不思議そうに首を傾げる蘭と園子。
「あっ…ううん。別に…何でもないよ…」
コナンはしどろもどろになりながらも、蘭たちに言葉を返す。
「…………。」
(あいつ、何にも言ってなかったな)
蘭達を何とか誤魔化したあと、コナンはため息をつきながらぼんやりと考える。いつも蘭達経由で現場に誘われても、名前からコナンに確認の連絡が来る事が多いのだ。
今回は、あの朝刊が出てから今日の予告日まで数日間があいている分、名前から連絡がなかった事にコナンは小さな違和感を覚える。
「……はぁ、」
(あいつと会うの、黒の組織の話をした日以降だもんな。何となく気まずいな…)
コナンは、最後に交わした名前との会話を思い出して小さくため息をついた。