「大海の奇跡」編
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「快斗、用事ってここ?」
名前は、快斗に手を引かれながら連れられて来られた意外な場所に首を傾げる。
「そうそう!!…おーい、ジィちゃん来たぞー!」
青子達と別れて快斗に連れて来られたのは、ブルーパロットだった。
card.390
「はぁはぁ…なるほど。そこで私が、そのように?」
「ああ。ルートは、ちゃんと考えとくからさ」
「…………。」
店の隅で何かの書かれた用紙を覗き込んで、ゴニョゴニョと囁くように言葉を交わす快斗と寺井。そんな二人を、名前は頬杖をついてカウンターから見つめている。
(土曜日の作戦会議かしら?だったら、私来ない方が良かったんじゃ……)
明らかに自分に聞こえないように、コソコソと話す2人。名前は、その様子に苦笑しながらも、寺井が用意してくれたココアに口をつけた。
「お待たせ、名前!!」
20分ほどしてようやく話が纏まったのか、快斗が名前の隣の椅子に腰を降ろす。
「私が来ない方がゆっくり話せたじゃない?良かったの?」
「あー、良いんだよ!それに、オメーに青子達と飯に行かれても困るしな」
「………別に青子達以外に誰が来ようと、快斗以外の人に目移りしたりしないわよ?私」
拗ねたように告げる快斗に、名前は苦笑しながら言葉を返す。
「ったく、目移りなんかされてたまるか」
快斗は名前の言葉に僅かに照れたようにため息をつきながら、ガシガシと頭を掻く。そして、チラリとカウンターの奥にいる寺井に目を向ける。
「………。」
寺井は穏やかな笑みを浮かべてグラスを拭いており、その表情からは名前達の会話が聞こえているのかは読み取れない。
「…………快斗?」
寺井に視線を向けて黙ってしまった快斗に名前が声をかけると、快斗は何かを考えるように小さく視線をさ迷わせた後に、そっと名前の耳元に口を寄せて小声で言葉を続ける。
「名前ちゃんは…俺の…だろ?」
快斗から囁かれた問いは、先程教室で快斗自身が平然と告げた言葉と同じだった。しかし、今は少し不安そうに眉を寄せている。
「……さっきは、名前ちゃん黙ってるだけで何も言ってくれなかったじゃねーか」
「………だったら、快斗も私の…って事になるんだけど?」
名前は、自分の間近にある快斗の顔をジッ見つめた後に、敢えて質問で答えを返す。
「そんなの当然だろ?」
名前が冗談のように返した言葉に、快斗は安心したようにニヤリと笑うと名前の頭を優しく撫でて微笑んだ。