「大海の奇跡」編
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card.387
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貴方の提案
快く承ります…
決行は10月12日20時
その前夜に下見する
無礼をお許し下さい…
怪盗キッド
P.S
BlueWonderの名の如く
歩いて頂きに参上しよう…
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「……本当に快斗って、怪盗キッドになると別人ね」
メールを送信し終えた快斗の携帯を見つめながら、名前は小さく苦笑する。
「そうかー?」
快斗は予告状と当日の犯行方法を考え終えて疲れたのか、名前の膝を枕にして横になると小さく欠伸をする。
「ねぇ、快斗。この、"歩いて″ってどういう意味?」
名前は、自分の太腿に頭を乗せる快斗の髪の癖のある髪をサラサラと撫でながら尋ねる。
「秘密ー。それは、当日のお楽しみだろ?」
「ふーん……私、今回は現場で新一と会うの気まずくて嫌なんだけどなー」
名前はコナンに対して昨日のやり取りで何となく後味の悪さが残っているため、小さくため息をつく。
「何だよ!俺と名探偵と、どっちを選ぶんだよ?」
名前の言葉に、快斗は拗ねたように名前を見上げて尋ねる。
「……その質問、今の状況にそぐわないと思うけど」
「そんな事ねーよ!!俺は、名前ちゃんが見てくれた方が絶対頑張れるのに……名前ちゃんは、名探偵に会いたくないからって俺の活躍を見に来てくれねーんだ?」
「…そうは言ってないじゃない」
そう言われてしまっては行かないわけにもいかず、名前は小さく苦笑する。そんな名前の答えに、快斗は満足気にニヤリと笑う。
「じゃあ、土曜日…楽しみにしてろよ!!絶対に名前も驚くから!」
「………はいはい」
(まぁ、何だかんだ言っても…私も楽しみなのよね。快斗の怪盗キッドとしての活躍)
名前が諦めたように小さく微笑む。
「……あー、それにしても頭使ったらなんか眠くなっちまったな」
「予告状考えるのに、1限目サボっちゃったんだから、そろそろ戻らないと」
欠伸をする快斗に苦笑しながら、名前はチラリと時計に目を向ける。あと数分で2限目が始まってしまう。
「えー?こんな天気の良い日に、名前ちゃんと一緒なんだぜ?授業になんか戻れねーよ」
「……また中村先生に怒られるわよ」
「えー?知らねーよ……」
---バンッ!!
「バ快斗っ!!いるんでしょ!出て来なさい!!」
交わされていた2人の会話を遮るように、突然大きな声が屋上に響く。
---ガバッ
「げっ、この声は青子!?」
屋上の扉が開く音と聞き覚えのある声に、快斗は慌てて起き上がり眉を寄せる。
「わざわざ、屋上まで探しに来てくれたのかしら?」
ちょうど屋上の貯水タンクの影にいる名前や快斗の姿は屋上の扉の位置からは見えないが、青子の声と足音は徐々に自分達に近づいて来ていた。