「大海の奇跡」編
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「はぁーっ……」
「どうしたの?この泥棒映画…観に行こうって誘ったの園子でしょ?」
映画館から出た途端に大きなため息をつく園子に、蘭は不思議そうに声をかける。
「だぁーって…最初のはイケてたから、すっごく期待してたのに…あれじゃやってる事が前と同じじゃない!!」
「そぉかな?私はそれなりに楽しめたけど……」
「それなりじゃ駄目なの!!」
「…………。」
(ま、映画の続編なんて…だいたいあんなモンだよ)
阿笠の家で名前と話した後、蘭達の映画に付き合ったコナンは、呆れたように2人の会話を聞いていた。
card.383
*大海の奇跡編
「あー!!どこかで起こってくれないかな?心臓の鼓動で周りの音が消えてしまうような…華麗で大胆なとびっきりの大事件が!!」
「………。」
(はは……事件なら、しょっちゅう巻き込まれてるじゃねーか)
コナンは、園子の言葉に小さくため息をつく。
----グイッ!!
「きゃっ!?」
「ひ…ひったくり?」
そんなコナンの横を、園子にぶつかるようにして勢いよく男が駆け抜けて行く。それと同時に、園子が驚いたように悲鳴をあげる。
「こ…こらっ!!待ちなさいっ!」
「くそっ……」
---ダダダダ!!
コナンと蘭は、園子の鞄を持って逃げていく男の後を追って駆け出す。
「ちょっとちょっと~!これが私の待ち焦がれていた事件なのー?」
園子は、半泣きになりながらも2人から少し遅れて走り出す。
----ダダダダ!
------ドドドドドッ!!
「………え、」
「何だ…このエンジン音」
男を追って走るコナン達は、徐々に自分達に近づいて来る独特のエンジン音に首を傾げながら振り返ると、サイドカーのついたハーレーがコナン達を追い越していく。
「行けっ、ルパン!!」
---バッ!
-----ガウガウガウ!
「い……犬?」
すると、サイドカーに乗っていたゴーグルをつけた犬がひったくり犯に飛びついて男を押し倒す。
「いててて……」
「ふん!!か弱き女子の鞄に手を掛けるとは不届きな奴め!ワシの自伝の片隅にでも載せてくれようぞ…」
ハーレーを運転していた老人は、犬が捕らえた犯人を押さえ込みながらそう呟くと蘭達の方に顔を向ける。
「……ホレ、お嬢さん!早く警察に」
「あっ…はい!ありがとうございます」
「ワンちゃんも、ありがとう」
呆然としていた蘭とコナンも、老人に声をかけられて慌ててお礼を告げる。
「いや、なーに!例えこの愛犬ルパンが振り切られても、1500ccツインカムエンジン搭載のハーレーからは、逃げおおせられはせんよ!いざとなったら、スピードアップの細工も施してあるしのォ…ハーッハハ!!」
「………。」
(何者だ……このオッサン)
自慢気に笑う老人を、コナンは目を丸くして見つめる。
「あれ…おじ様……?」
「え、叔父さん?」
そんなコナン達にようやく追いついた園子が、その老人を見て驚いたように声をあげる。蘭とコナンは、思いがけないその言葉に目を見合わせた。