「大海の奇跡」編
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「ねぇ、新一」
「んー?」
学校帰りに阿笠邸に寄った名前は、同じく偶然阿笠邸に来て推理小説を読んでいたコナンに声をかける。
「最近、黒の組織の事って何か進展あったの?」
card.381
「…は?」
「…………。」
突然の質問に、コナンもその隣で雑誌に目を向けていた灰原も目を丸くして名前に視線を向ける。
「何だよ……急に」
「あら、別に?ジョディ先生が、FBIの捜査官だったって話以降…何も聞いてないなーって思って」
「んー、」
コナンは名前の質問に、見ていた小説を閉じるとどこか困ったように頭を掻く。
「まぁ……それ以降は、これと言って進展がねーって言うのが答えだが…」
「………何?」
何となく歯切れの悪いコナンに、名前は訝し気な視線を向ける。
「まぁ……ここまで俺達の事知ってるお前に、今更こういうのもアレだが」
「?」
「オメー、これからは組織の件にあんまり首突っ込まない方が良いんじゃねーか?」
「なっ……」
コナンの言葉に、名前は目を丸くして息をのむ。
「…………。」
灰原はそんな2人の会話を、黙ったまま聞いている。
「それどういう意味?」
「いや、深い意味はねぇよ。ただ…奴らは危険だって言ってるだけだ」
「…はあ?」
名前は、コナンの言葉に意味が分からないと言うように首を傾げる。
「……新一」
名前は軽くソファに座り直すと、小さく息をつくと改めて真剣な口調で口を開く。
「…………。」
「……あなたの正体から、こうなるまでの事情を知ってる私に…今更、首を突っ込むなも何もないんじゃないの?組織が危険な事くらい、あなたに改めて言われなくたって重々承知してるつもりなんだけど?」
「…………。」
名前の言葉に、コナンは何とも言えないような顔をして名前から視線を逸らす。そのコナンの仕草に、名前は思わず眉を寄せる。
「だいたい!今までは、そんな事1度も……」
---ピリピリピリ…
思わず口調を荒げた名前の言葉を遮るように、鳴り響いた着信音に名前はぐっと言葉を切る。
「………ほら、出ろよ。あいつじゃねーのか?」
コナンの言葉に、名前はため息をつきながらもポケットから携帯を取り出す。
「………電話じゃなくてメールよ」
(相手は本当に快斗だけど…)
名前はメールの内容を確認すると、話しを戻そうと視線をコナンに向けるが、コナンはスッと立ち上がる。
「悪ぃな、この後…蘭達と約束があるんだ」
「ちょっと!新一?」
「オメーも、暗くなる前にさっさと帰れよ」
コナンはそれ以上の質問を受け付けないとでも言うように、去り際にそう言うとスタスタと立ち去ってしまう。
「はあ?何なのよ…」
「…………。」
珍しく苛ついたように眉を寄せる名前の呟きを、灰原が小さく苦笑しながら聞いていた。