「ベイカー街の亡霊」編
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「…………。」
(父さん……)
優作は、コナンから少し間を開けて歩みを止める。2人はお互いを見つめあったまま、言葉を発しない。
「………。」
日本と海外で離れて暮らす日常。また人前で安易に会話出来る状態ではない2人は、親子でありながら数ヶ月ぶりの対面となった。
card.378
「お前にしては時間がかかったな」
最初に口を開いたのは優作だった。コナンは優作の言葉に、肩をすくめながら笑って口を開く。
「あぁ、結構楽しめたよ」
「ふっ…」
優作はコナンの言葉に小さく微笑みを浮かべると、ふいに真剣な表情に変わる。
「なんだ?」
コナンは、そんな父親の変化に首を傾げる。
「あの…"黒羽快斗″という少年…」
「!!」
コナンは優作の口から飛び出した思わぬ名前に僅かに動揺するが、優作に悟られないよう表情には出さない。
「お前も知り合いのようだな?」
そんなコナンに、優作は試すような視線を向ける。
「ん?まぁ…知り合ったのは最近だが……一応、知り合いだな」
「………。」
「それがどうした?」
「……名前と付き合ってるらしいが、それも知っているのか?」
「ああ、本人達に聞いたよ」
「…………。」
コナンの言葉に、優作は何かを考えるようにコナンをジッと見つめる。
「………そうか」
しかし、しばらくすると小さく息をついて、優作はいつもの優しい笑みを浮かべる。
「ならば、あの2人の事は…お前に任せよう」
「女子高生相手に…相変わらず名前の事になると、過保護だな」
優作の言葉にどこか含みを感じたコナンだったが、それには気付かないふりをして冗談で返す。
「……ふ、あの子……名前は私達の娘のようなものだからな」
そんなコナンの思惑に、恐らく気付いているのであろう優作も、それ以上は追求せずにコナンに話しを合わせる。
「それを聞いたら、あいつ飛び上がって喜ぶぜ」
コナンは優作の言葉に小さく笑った。
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「………さて、行ったな」
友人達のもとに向かう名前の背中を、並んで見送っていた三船と快斗。三船は名前が自分達からある程度離れると、ふいに低い声で呟く。
「それで、何なんすか?"男同士の話″…って」
「………。」
「三船さん?」
快斗の問いに答えずに、何かを考えるように黙り込む三船。快斗は、首を傾げながら三船を見つめる。
「………。」
(なんか大事な話か?)
「快斗」
快斗が黙ったまま三船の言葉を待っていると、三船がポツリと快斗の名前を呼ぶ。
「……何ですか?」
「お前の事を、調べようとしてる奴がいる」
「え?」
快斗は、三船が告げた言葉の意味が分からず眉を寄せた。