「ベイカー街の亡霊」編
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ゲームが終わってしばらくたつが、未だにザワザワと助かった喜びや安堵に沸く館内。
「……それでさ、その場面で急にアコーディオンの男が出てきてさ」
「えっ?あの…ベイカー・ストリートにいた不気味なあの男性?」
名前は快斗の言葉を聞いて、目を見開く。
「そうそう!!しかも、あいつの正体がなんと…」
2人は舞台から降りて会場の隅の壁に寄り掛かりながら、名前が飛び降りてからのゲームの展開を話していた。
「快斗!名前!」
「………ん?」
「あっ、三船さん!」
そんな快斗の言葉を遮るように2人の名前を呼ぶ声がして、声がした方に視線をうつすと片手を上げて近付いて来る三船の姿があった。
card.377
「……まずは悪かった!」
「「!!」」
三船は快斗と名前の前に立ったかと思うと、バッと頭を下げる。
「お……おい、」
「三船さんがそんな風に謝るなんて…」
快斗と名前は三船の行動に目を見開く。
「いや。俺があの現在にお前らを引き入れちまったんだ…謝るのは当然だ」
三船は、スッと頭を上げるともう1度「悪かった…」と、名前達の顔を見つめて告げる。
「……いや、別に…なぁ?こうして無事だったわけだし」
「ええ、私達は三船さんのせいだなんて…思ってないです」
快斗と名前は、戸惑いながらも三船に言葉をかける。
「そりゃー、当たり前だ!」
「「………はあ?」」
「この俺が頭まで下げて謝ってるんだ。これ以上の謝罪はねーだろ。ま…これで今回の事はチャラって事で」
三船は先程までの真剣な表情が嘘のように、口元にニヤリと笑みを浮かべる。
「………。」
(この人は…)
名前は相変わらずの三船の態度に、拍子抜けしたように肩の力を抜いて苦笑する。
「名前ーっ!」
「あれ……蘭達だわ」
そんな名前の名前を、遠くから呼ぶ声がして名前は三船の向こうで、手を振ってる蘭と園子に気がつく。
「あの嬢ちゃん達も名前の事、心配してたんだ。行って来い。」
「………え?」
三船の言葉に、名前は意外そうに目を丸くする。
「……でも、」
名前は今声をかけてきたばかりの三船をないがしろにするのも憚れて、チラリと三船の顔を覗き見る。
「俺が行けって言ってるんだから、ガキの癖に余計な事気にしてねーで早く行けって!!それに俺は、快斗とちょっと男同士の話しがあるんだ……な、快斗!」
「え、あ…あぁ」
急に話しを振られた快斗は、戸惑いながらも思わず頷く。
「……そう?じゃあ、ちょっと行ってきます」
名前は快斗と三船を交互に見て小さく首を傾げながらも、戸惑いがちにそう呟く。
「話し終わったら戻って来いよ!」
「分かりました。快斗も、ちょっと待っててね」
「おお…」
名前は快斗にそう言うと、足早に蘭達の方に向かって行く。
「………。」
(おいおい……本当に俺とこの人を2人にするつもりかよ…)
名前に向かって早く行けと言わんばかりにヒラヒラと手を振る三船の横顔を横目に見ながら、快斗は2人に聞こえないように小さくため息をついた。