「ベイカー街の亡霊」編
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card.373
コナン達がヒロキと会話している間、静まり返った会場では優作や保護者達が固唾を飲んで舞台上に残るコナン達のコクーンを見つめている。
---ウィィーン…
そんな会場に、ふいに小さな機械音が響く。
「!!」
---ウィィーン!!
そしてその音はどんどん大きくなり、床下に沈んでいたコクーンが、次々と機械音をあげながら舞台上に現れる。
「ああ……」
「良かった……!!」
次々に床下から現れるコクーンを見てゲームをクリアしたのだと分かった保護者達は、瞳に涙を浮かべて歓喜の声をあげる。
「名前っ!」
「探偵団のみんなもいるわっ!!」
会場でゲームの行方を見守っていた蘭と園子は、舞台上に現れたコクーンの中で眠る友人達の姿を見つけ嬉しそうに声をあげる。
「………ふぅ」
「やったようじゃな!」
安堵の息をつく優作に、阿笠が笑顔で声をかけると優作も微笑んで頷く。
「……ったく、最後までヒヤヒヤさせやがって」
ガヤガヤとざわめく人々の中、名前のコクーンが床下から現れたのを確認した三船は、大きく息をつくと安堵したように小さく笑う。そして、身体の力を抜くようにドサリと椅子に深く座り直す。
---パッ!
-----ウィィーン!
そんな中、会場の照明がつくとコクーンが音をたてて開きはじめ、中で眠る子供達が目を覚まし始める。
「美惠子!大丈夫!?」
「正彦っ!!」
会場でゲームを見守っていた保護者達は、一斉に立ち上がり我が子の元へ向かっていく。
「パパ、楽しかったよ!」
「私、頑張ったよ!!」
子供達も笑顔で両親のもとに戻っていく。
---ウィィーン
「……ふぅ、さすがに疲れたな」
ざわめく舞台上でコクーンから出たコナンは、肩の力を抜いて小さく息をつく。
「コナン君っ!!生き返らせてくれてありがとう!」
その時、後ろからふいに声をかけられて、コナンがくるりと振り返る。そこには満面の笑みを浮かべる歩美達が立っている。
「ああ、オメーらも……」
「名前っ!!」
コナンは、笑顔で"良くやった″と、歩美達に向けて言葉を続けようとしたが、それを遮るように突然大声が響いて、コナンは慌てて振り返る。
---ガンガン!!
「名前!!おい、大丈夫か!?」
そこには、取り乱したように名前が眠るコクーンを叩きながら、大声を上げる快斗の姿。
「…黒羽!?どうしたっ!?」
コナンのは、その姿に眉をよせて黒羽の元に駆け寄る。
「名前のカプセルだけ開かねーんだ!どうなってんだよ、くそっ!!」
---ガンッ!
快斗は、コクーンの中で眠る名前を見つめながら、悔し気にコクーンを殴りつける。
「……他の奴らと、タイムラグがあるだけじゃねぇのか?」
「なっ、呑気な事言ってんじゃねーよっ!こいつ以外、全員目ぇ覚ましてるんだぞっ!!」
「だったら、どうして…」
コナンは不審気に眉をよせて、視線を上に向ける。
(ノアズ・アーク……いや、ヒロキ君。どうなっているんだよ……)