「ベイカー街の亡霊」編
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---ゴォォォ!
「…おい、名探偵どういう意味だ?切り裂きジャックは、もう死んだだろ?…俺達が血まみれになる意味あるのかよ?」
快斗は、眉を寄せて考えこむコナンに声をかける。
「……血まみれ、か」
「血まみれは比喩なのかもしれねーな」
「ああ。だとしたら、一体何の事を…」
コナンと快斗は、つい先程までの険悪な雰囲気はなかったかのように、並んでホームズの言葉について考えを巡らせている。
「この状況で血まみれなんて…意味わかんねぇよな」
そんな中、諸星は訳が分からないというように小さく声をあげる。
「……ああ、……ん?」
コナンは小さく呟いた諸星の言葉を聞いて、何気なく諸星の方に視線を向けると小さく息をのんだ。
card.370
「あっ!?」
---ガバッ!!
「おい…メガネ!?何だよ、急に!」
コナンが、突然目を見開いて諸星の紅い上着を勢いよく掴む。
「これだっ!!こういう事だったんだ!!……貨物車!!」
---ダッ!!
コナンはそれだけ言うと、一目散に貨物車に向かって駆け出していく。
「貨物車………そうか!!そういう事かっ!諸星、行くぞ!」
「お……おい、メガネも快斗も何なんだよ!?」
諸星は何かに気付いたコナンと快斗が、貨物車に駆けて行く背中を首を傾げながら追い掛ける。
---ダダダダ!
「後で説明してやっから、オメーも早く来いっ!」
快斗は後ろを走る諸星に声をかけながら、更に足を進める。
---ゴォォォ!!
-------ダダダダ!!
「……ここだ、貨物車!!」
---ガチャ、ガチャ…
「くっ………」
コナンは、列車の最後尾の貨物列車にたどり着くと屋根についた鉄の扉に手をかける。
「貸せ!!名探偵!」
---グイッ!
コナンの力では重くてなかなか開かない扉を、コナンの後ろから快斗が手を伸ばしてこじ開ける。
---ガチャ!!
「開いたぞ、入れっ!!」
快斗の言葉に、コナンと諸星は開いた扉から貨物車の中に飛び降りるようにして入る。
貨物車の中に入ると、薄暗い車内には所狭しと赤ワインの樽が並んでいる。
「おいっ!メガネ!どうしたら良いんだっ!?」
「そこに掛けてある斧で、赤ワインの樽を割るんだっ!」
---ドカッ!
「諸星っ、急げ!」
快斗は勢い良くワインの樽を割ながら、諸星に声をかける。
「あ……ああ!」
---ドカッ
------ドカッ!
--------ザバザバザバ!!
コナン達が次々と樽を割っていくと、中からは赤ワインがザバザバと音をたてて流れ落ちて、あっという間に貨物車の中は赤ワインに満たされていく。
---ザブザブ…
全部の樽を割り終わったコナン達は、自分達の首元あたりまで赤ワインで満たされた貨物車の中で顔を見合わせる。
「良いか?俺が合図したら潜るんだ!」
コナンのは、外から響く列車の音に耳をすませながら快斗達に告げる。
「お…おう、」
「頼むぜ………名探偵」
---ゴォォォ!!
「今だっ!!」
----ザッバーン!!
コナンの合図とともに、諸星はコナンと一緒に大きく息を飲むとワインの中に潜り込む。
「…………。」
(名前っ、待ってろよ……もうすぐ会えるからな!!)
---ザッバーン!!
快斗は大きく息を飲みながら名前の笑顔を思い浮かべると、コナン達に少し遅れてワインの中に身体を沈めた。