導入編(オリジナル)
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「おい!何ですぐに電話に出ねェんだよ?」
キッドが飛び立ってからしばらく立ち尽くしていた名前だったが、もう一度鳴り響いた着信音で我に返って通話ボタンを押す。すると、間髪入れずに耳元で大声で怒鳴られてしまい、名前は電話相手に聞こえないように小さくため息をついた。
card.37
「仕方ないじゃない…あなたから電話が来た時は、まだ空の上だったのよ」
「電話切っただろ」
「知らないわよ…空を飛んでたんだから、電波の問題じゃないの?
「……。」
電話相手であるコナンは、名前の言い分に納得がいかないように盛大にため息をつく。
「それで…お前は無事なんだな?」
「ええ。美術館の近くのビルの屋上に降ろしもらったわよ」
名前は屋上の柵にもたれて、ぼんやりと空を見上げながら会話を続ける。
「ったく…お前は無茶ばかりしやがって」
「……。」
(いつも危ない橋ばかり渡ってる人に言われたくないわね)
名前は自分の心の中の言葉を口に出したら、余計にコナンを怒らせるのが分かっているため、反論せずに黙って話を聞いている。
「…それで?オメーはあの野郎とどういう関係なんだよ?」
「…………え?ああ、"怪盗キッド″の事?関係もなにも、会うのも話すのも今日が初めてよ」
名前は、ぼんやりとコナンの言葉を聞いていたため、ふいに真剣な声で尋ねられた問いに、僅かに返答までに少しの間があいてしまう。
「…まぁ今日のところは、そういう事にしておいてやる。次に会った時にまた聞くからな。…お前覚悟しとけよ、園子が大騒ぎしてたぞ」
「あー、やっぱり?…当分そっちには行きたくないわね」
園子が逢いたいと願って止まない怪盗キッドに、園子の目の前で助けてもらうことになるとは。
飛び立って行った後に何があったのか、何を話したのか、羨ましい!と大騒ぎするであろう園子の姿が鮮明に目に浮かんできて、名前は小さくため息をつくのだった。