「ベイカー街の亡霊」編
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---ゴォォォ!
「………それで?」
「?」
座りこんだコナンに向かって、快斗がポツリと呟いた言葉に、コナンは訝し気に快斗を見る。
「……オメーはそんな理由で、俺にあいつを諦めろってーのかよ!?」
「!!」
「俺は…例え何があっても、名前の事は諦めねぇっ!!」
card.369
「連結部分を外すのが一番確実だってーなら…俺が何がなんでも外してやる!!」
「なっ…」
コナンは、快斗の言葉に目を丸くする。
「左腕が使えねー?腕がなくなったわけじゃねーんだっ!!例え腕がとれたって…どうなったって外して来てやるよ!!……諸星っ!」
「な、なんだ?」
「オメー手貸せ!!こんな腑抜け野郎なんて知らねーっ!俺らだけでやるぞ!」
「え……快斗!?」
快斗はそう言うと、戸惑う諸星を尻目にくるりと踵を返して機関車に向かって行こうとする。
---ジジジジ…
「!?」
しかしそんな快斗の道を塞ぐように、突然小さなノイズ音と共に、ベイカー・ストリートの路上で見たアコーディオンを弾く男が現れる。
「お、お前!?なんでここに?」
「ハーハッハ!お前達は、まだ血まみれになっていない…まだ生きているじゃないか!もう諦めるのか?」
「血まみれ……?」
快斗は目を丸くして男を見つめているが、コナンは男の言葉を不審そうに繰り返す。
「お前達は、既に真実を解く結び目に…両の手を掛けていると言うのに…ハーハッハ!!」
そんなコナン達を尻目に男は更に言葉を続ける。
「………人生という無色の糸の束には…」
---ジジジジ…
男の言葉に、小さなノイズが混ざりはじめる。
「……殺人という、真っ赤な糸が混ざっている…」
「!?」
(声が変わった……?)
快斗は、突然声色が変わった男に目を見開く。
---ジジジジ…
「!?」
「………それを解きほぐすのが…我々の仕事なんじゃないのかね?」
すると、ノイズ音と共にアコーディオンの男は、かの有名なシャーロック・ホームズの姿に変わる。そして、コナンや快斗達を試すような微笑みを浮かべてそう尋ねる。
--ジジジジ…
「ホ、ホームズ!?」
---シュルルル…
そしてその言葉を最後に、戸惑うコナン達の前から男はノイズ音と共に姿を消す。
「なんだ……今の?」
「ホームズ……だったよな?」
信じられない出来事に、諸星達は揺れる列車の上で呆然と立ち尽くす。
「……ホームズは、ダート・ムーアにいるはずじゃ?まさか、バグか…?」
お助けキャラであり自分の敬愛するホームズの登場に、座り込んでいたはずのコナンは、いつの間にか立ち上がって、いつもの表情で顎に手をあてて考えを巡らせた。