「ベイカー街の亡霊」編
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card.366
「うっ……」
快斗は、首を掴む切り裂き視野がの腕を何とか外そうと抵抗するが、切り裂きジャックの力が強く苦しそうに声をあげる。
「……っ、」
名前は、ギリギリと身体の後ろで縛られた腕のロープを外そうと力を込めるが、固く結ばれたロープはビクともしない。
「快斗っ…快斗!!」
それでも名前は、必死に何度も快斗の名を呼ぶ。
---ダッ!!
「快斗を離せーっ!!」
そんな中、諸星が精一杯の力を込めて切り裂きジャックが短剣を持つ腕に飛びつく。
「もっ…ろぼし…」
快斗は、ギリギリと首を絞められ苦しそうに首を歪めながらも、そんな諸星に目を向ける。
---ブンッ!
「邪魔をするなっ!」
「ーっうわ!?」
しかし子供の諸星の身体は、簡単に切り裂きジャックに振ら払われてしまう。諸星は声を上げながら列車の屋根を転がり、そのまま列車から落ちそうになる。
「諸星君っ!?」
---パシッ!
「諸星っ、危ねぇっ!」
落下しそうになる諸星の姿を見た名前は、目を見開いて声をあげるが、それと同時にコナンがギリギリの所で諸星の腕を掴む。諸星は、コナンの手に捕まりぶら下がるような状態で何とか落下を免れる。
「くーっ…」
「メ、メガネ…大丈夫か!?」
しかし、諸星の手を掴んだは良いが、自分より身体の大きな諸星を引き上げる事が出来ず、コナンは顔を歪める。
「諸星君…新一…」
名前は諸星が落下しなかった事に小さく安堵しながらも、再び快斗に目を向ける。
「ハッハッハ……やっと邪魔者がいなくなったな!!」
コナンと諸星が身動きがとれない今、切り裂きジャックに短剣を向けられた快斗を助けられる人物は誰もいない。
「さぁ、どこから切り刻んでやろうか!!」
「うぅ……」
切り裂きジャックが快斗の首を絞める力を込めると、快斗は更に苦しそうに顔を歪める。
--ゴォォォォォ!!
「快斗…」
(どうしたら良いの?どうしたら快斗を…)
名前は、そんな快斗の姿を絶望的な表情で見つめる。
--俺はさ、名前ちゃんが…俺のそばにいてくれるだけで、すっげー幸せなんだよ--
名前は、ふいに自分の頭を撫でながら話す快斗の笑顔を思い出す。
「……私は、」
名前は、苦しむ快斗を見つめながら小さく呟く。
「私は、快斗のそばに?それだけで、いいの…?」
名前は何かを考えるように視線をさ迷わせたあと、キッと鋭い視線を切り裂きジャックの背中に向けた。