「ベイカー街の亡霊」編
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ジッとシンドラーを見つめていた優作は、冷静に口を開く。
「ブロンズ像の短剣は、シンドラー一族の先祖から伝わる……由緒正しいものだそうですね」
「いかにも……その通りだ!」
「……そんな短剣を、あなたはどうして凶器に使ったんです?」
「何?」
優作の問いに、シンドラーはピクリと反応する。
「凶器は、どうしてもあの短剣でなければならなかった……とすれば、」
「!?」
「?」
優作の言葉にシンドラーは小さく息を飲むが、話の意図が掴めない目暮達は小さく首を傾げた。
card.363
「……ん?」
諸星が梯子を上り終えたのを下から見ていた快斗は、2人の後に続こうと梯子に手を伸ばすが、そこでピタリとその手を止める。
--カタン、
「…一応、持ってくか」
快斗は、機関室に置かれていた石炭用の大きなシャベルをグッと掴んで梯子を上っていった。
----カンカン…
「……よっと、」
「何だよ、それ?」
快斗が梯子を上って来るのを列車の屋根の上で待っていたコナンと諸星は、快斗が手に持ったシャベルを見て尋ねる。
「ん?あぁ、殺人犯が相手だし左腕使えねーし…なんか武器があった方が良いだろ?」
快斗は軽くシャベルを翳して、ニヤリと笑った。
---ゴォォォ!!
快斗達は、勢い良く進む列車の屋根を進んでいく。3人の髪は、吹き付ける突風にバサバサと揺れている。
「おい…見ろ!あそこに誰か立ってるぞ!!」
3人で屋根の上を進んでいると、ふいに諸星が息をのんで前方を指をさす。
「!!」
「名前っ!!」
諸星が指さした先には、ニヤリと笑う切り裂きジャックの姿と、その足元に横たわる名前の姿。
名前は意識はあるようだが、身動きが出来ないようで顔だけ上げた状態でコナン達に向かって叫ぶ。
「……来ちゃ駄目!!」
「え!?」
コナン達は、名前の言葉に首を傾げながらも少しずつ近付いていき、切り裂きジャックからある程度の間合いをとったところで立ち止まる。
「…………。」
「…………。」
快斗達と切り裂きジャックは、ガタガタと揺れる屋根の上で睨み合うが、ふいに切り裂きジャックが口元に笑みを浮かべて口を開く。
「……このお嬢さんとは、ロープで繋がっている。俺が落ちたら、彼女も一緒に落ちるというわけだ…」
「何っ!?」
快斗が切り裂きジャックの腰元のロープを辿って視線をうつすと、そのロープは横たわる名前に続いている。
「……くそっ、」
「……快斗」
悔し気に顔を歪める快斗を、名前は横たわったまま見つめる。
「さぁ…どう戦う?」
そんな中、切り裂きジャックはゆるりと短剣も構えると口角を上げて楽し気に笑った。