「ベイカー街の亡霊」編
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ゲームの世界でコナンが切り裂きジャックの正体に辿り着いたのを確認した優作は、小さく微笑んでモニターから視線をはずす。
「…さて、我々も樫村殺害の犯人を突き止める事にしましょう」
「えっ!?まさか犯人が分かったのかね?」
突然の優作の言葉に、目暮達は目を見開いた。
card.361
「……問題は、犯人がどうやって凶器を用意したのか。この米花シティ・ホールの入口には金属探知機が設置してあります」
「そうでしたな…」
優作の言葉に、小五郎達は小さく頷く。
「考えられるのは、凶器は最初から…この会場に用意してあったものを使ったと言う事です」
「しかし、そんな物がどこに?」
「パーティー会場にあったブロンズ像です。あの中の一体は、短剣を握っています」
「会場には大勢の客がいたんだ!あんな物を抜いたら、誰かに見られるぞ?」
優作の言葉に、目暮は眉をよせて尋ねる。
「会場の照明が落ちた時に抜いたんです。あらかじめタイムテーブルで決まっていましたからね…」
「………。」
ソファにに座っているシンドラーの額には、優作の推理が進むにつれてジワジワと汗が滲んでいく。
「しかし…短剣が無くなれば、誰かが気付くんじゃないですか?」
「偽物を置いたんです。段ボールにアルミフォイルか何かを巻いて作った短剣を…」
「じゃあ…今、会場のブロンズ像が持っているのは犯行に使われた短剣かね?」
「ええ。先程、短剣のルミノール反応と指紋を調べてもらいました」
目暮の問いに、優作は真剣な表情で頷く。
「結果は…!?」
「……樫村と同じ血液型の反応が出ました。柄の部分からは指紋も検出されました」
「!?」
「あなたの指紋でしたよ…シンドラー社長!!」
「!!」
思いがけない人物の名前が優作の口から飛び出して、白鳥達は勢いよく振り返ってソファに座るシンドラーに目を向ける。
「……当然だろう。私の家から運ばれたブロンズ像なのだから」
しかし、シンドラーは焦りも見せずに平然とそう答える。
「………。」
優作は、しばらくシンドラーを見つめた後に胸ポケットから何かを取り出す。
「……これは、犯行時刻前後にパーティー会場の監視カメラを記録した映像です」
「…………。」
「幸い、監視カメラは会場内のいたるところに取り付けられており、自由なアングルをダビング出来ました」
そう言いながら、優作は阿笠にテープを手渡す。
--ガチャ、
阿笠は小さく頷いてビデオをセットすると、1つのモニターにビデオテープの映像が映し出される。
モニターの画面には、諸星がミニゲームと称してサッカーボールを蹴っている姿が映っている。
「諸星少年が蹴ったボールはブロンズ像に当たり…短剣を弾き落とします」
優作の説明を聞きながら、小五郎達はジッとモニターを見つめている。
「それを諸星少年は拾い、ブロンズ像の手に戻しました…」
その映像を見て、目暮は小さく息をのむ。
「そうかっ!!今の映像の短剣が本物ならば、少年の指紋も検出されるはずだっ!」
「しかし、短剣にあったのはシンドラー社長の指紋だけだったな」
小五郎はそう言うと、口をつぐんだままソファにに座っているシンドラーをジロリと睨み付けた。