「ベイカー街の亡霊」編
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「……っ、」
灰原が消え去って何もない床を見つめたまま、名前は悔し気に唇を噛む。
「……行くぞ、オメーら」
コナンは、そんな中ポツリと低い声で呟く。灰原が自分を守ってゲームオーバーとなった事に、一番悔しく感じているのは他でもないコナンだった。
「俺達は、何がなんでも…このゲームをクリアするしかねーんだ!」
「…名探偵」
自分に言い聞かせるようにそう言うと、くるりと踵を返して裏口に向かうコナン。その背中を快斗は複雑な表情で見つめていた。
card.356
「早く、早く!!」
「早く避難するんだっ!」
裏口では、警官達が逃げ惑う人々を誘導している。
「あっ、おせーよ!お前ら」
名前達が裏口にたどり着くと、アイリーンの足元にいる諸星がようやく追いついた名前達を見つけて、呆れたように声をかけてくる。
「悪ぃ、悪ぃ…ん!?」
快斗が片手をあげながら諸星に言葉を返すが、ふいに自分達に向かって来る人物に気付いて視線を横に向ける。
「!?」
(…切り裂きジャック!?)
---ダッ!!
「下がって!みんなっ!!」
そんな快斗の横を、名前が大声をあげながら駆け出す。
「ばっ……名前!?」
快斗と同じく、マントを翻しながら自分達に向かって来る人物…切り裂きジャックに気付いた名前は、アイリーンや快斗達を庇うように前に立つと、力を込めて蹴りを繰り出す。
---ブンッ!!
-----タンッ、
「なっ!?」
しかし切り裂きジャックは、ふわりと軽い身のこなしで名前の蹴りをかわすと、名前の頭上を飛び越えていく。
「快斗…!!」
名前は切り裂きジャックの身体能力に目を丸くしながらも、急いで後ろを振り返る。
---ガキンッ!!
「………痛ぇーな、この野郎っ!!」
名前の視線の先には、ナイフを片手にアイリーン目掛けて突っ込んで来た切り裂きジャックから、アイリーンを庇う快斗の姿があった。
--ギリギリ…
快斗は、裏口に置かれていた鉄パイプで切り裂きジャックのナイフを防いでいるが、切り裂きジャックの力が強く、右手だけでなく左手でも鉄パイプを支えている。
---ギリギリ…
「……快斗!!」
(まずいっ!快斗、左腕が…)
「どけよっ!!この野郎!!」
---ブンッ!!
名前は、左腕の使えない快斗が押されている事に気付いて、2人の間に入ろうとするが、それよりも早く諸星が木材を切り裂きジャックに向かって振り下ろす。
「……ッチ、」
切り裂きジャックは、小さく舌打ちして攻撃の手を緩めながら木材を避ける。切り裂きジャックの攻撃から快斗が解放された事に、名前は小さく安堵の息をつく。
---ピィィィィ!!
「切り裂きジャックだ!!」
「こっちだ!切り裂きジャックが出たぞ!!」
そのタイミングで、駆け付けて来た警官が切り裂きジャックに気付いて警笛を鳴らしながら大声をあげる。
「ッチ!」
さすがの切り裂きジャックも、警官に囲まれたら分が悪いのか、くるりと踵を返して逃げ出して行く。
「待ちなさいっ!!」
「クソッ、逃がさねーぞ!」
逃げ出していく切り裂きジャックを名前達は追いかけて行った。