「ベイカー街の亡霊」編
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--ドォォォン!!
激しい爆音と館内の揺れに観客達が戸惑い始めていた頃、舞台袖にいた名前達も同じ揺れを感じていた。
「……爆発!?」
「アイリーンさんは!?」
card.354
---ズズズ…
「危ないっ!!」
「えっ……滝沢君!?」
「江守!?」
揺れる館内で何かに気付いた滝沢と江守が、勢い良く舞台に向かって駆け出していく。突然の行動に目を丸くしながらも、名前と快斗は少し遅れて滝沢達を追いかける。
---ダダダダ!!
「くそっ!!スポットライトだ!」
快斗は滝沢達を追いながら、アイリーンの頭上から落下してくるスポットライトに気が付いて声をあげる。
「ーっ!!滝沢君っ!江守君っ!」
名前も快斗の言葉に頭上を見上げると、スポットライトが勢い良くアイリーンと滝沢達目掛けて落下してきているのが見える。
--ドカ!!
---ドォォォン!
そして名前達が追いつくよりも早く、スポットライトは激しい音と埃をたてながら舞台に落下する。
「!?」
「お、お前ら…」
スポットライトが落下した衝撃で舞散っていた埃が落ち着くと、身体がまばゆい光に包まれている滝沢と江守の姿が視界に入り、コナン達は目を見開く。
「あれ、江守お前…」
「滝沢君こそ!!」
「チッ、……ゲームオーバーかぁ」
「悔しいなぁ…」
滝沢と江守は、相手の身体が光に包まれているのに目を丸くするが、互いの反応に自分の身体も同じく光に包まれている事に気付き、顔を見合わせてため息をつく。
---スッ
そんな2人のそばに、アイリーンが近付くとしゃがみ込んで優しく微笑む。
「あなたたち、ありがとう。おかげで助かったわ…」
アイリーンは、スポットライトが落下する直前に滝沢達に押し倒すように身体を突き飛ばされたために、無傷ですんでいたのだ。
「「…………。」」
アイリーンの言葉を聞いて、滝沢と江守が頬を染めながら互いに顔を見合わせる。
「……人に感謝されたのって初めてだな…」
「いいもんだね……」
そして初めての体験に照れたように小さく呟いたあとに、自分達を見守る諸星達に視線を向ける。
「諸星…後は頼んだぜ!!」
「任せとけ!」
滝沢が晴れやかな笑顔で諸星に声をかけると、諸星は大きく頷く。
「快斗と名前も…こいつらの事…頼むぜ!」
「………滝沢君」
「オメーら、"現実世界″では、ちゃんと"さん付け″で呼べよな…」
名前は身体が消え行く2人の姿に辛そうに眉を寄せるが、快斗は滝沢の言葉に小さく頷いた後に、ニヤリと笑いながら滝沢の頭をガシガシと撫でる。
---シュルルルル…
そしてその会話の最後に、2人の姿は光とともにコナン達の前から消えて行った。