「ベイカー街の亡霊」編
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「また切り裂きジャックが出たよ!!今度は犠牲者が2人もっ!」
コナン達が話していると、階段の向こうから大きな声が響く。
「あ…あれじゃない?教授が言ってた新聞って」
後ろを振り向いた名前の視線の先には、たくさんの新聞を抱えて元気に新聞を売りさばいている少年の姿があった。
card.350
「すいませーん、一部くださーい!」
「はいよ!」
コナンが手をあげて少年に声をかけると、新聞を持った少年は笑顔で駆け寄って来る。
「……やべっ!イギリスのお金持ってねぇ!」
コナンは少年を呼びながら、お金を出そうとポケットを探ったところで、ハッとしたように眉を寄せる。
「あら、大丈夫よ」
「え?」
そんなコナンに向かって、名前がサラリと返すため、コナンは首を傾げる。
「ほい、80円!」
首を傾げるコナンの元に駆け寄って来た少年は、新聞を差し出しながら料金を請求する。
「…あ、そう。便利なこった」
コナンはそれを聞いて、拍子抜けしたようにお金を差し出して新聞を受け取る。
「昨日俺らが泊まったとこも、日本の金で泊まれたからな」
「……なるほどね」
新聞屋の少年を見送りながら、快斗がコナンに告げる。コナンはその台詞を聞いて、昨日の宿泊所の代金を払ったのは名前と快斗だった事を思い出して、納得したように頷いた。
「どう?」
「確か広告にメッセージを載せるって言ってたわよね」
パラパラと新聞をめくるコナンの横で、灰原と名前が新聞を覗きこむ。
「ん?これじゃねーか?」
そんな中、快斗が新聞の片隅を指差したため、滝沢達も一緒に新聞を覗き込む。
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今宵、
オペラ劇場の
掃除をされたし。
MよりJへ
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「これがそうなのか?」
滝沢は快斗が示した広告の内容を覗き込みながら、不思議そうに尋ねる。
「MからJへ……"モリアーティ″から、"切り裂きジャック″へ…ね」
「ふぅん……じゃあ舞台の掃除っていうのが指令なのか?」
灰原の言葉に江守が不思議そうに首を傾げる。
「それは、舞台に登場する役者を殺害しろって意味だろーな」
快斗は腕を組みながら、江守達に説明する。
「今夜公演の舞台は…これだわ、凱旋公演!」
快斗達が会話している中、名前は新聞をパラパラとめくり新聞に載せられた舞台広告の内容を確認していく。そして、そこに記された出演者に目を見開く。
「ワルシャワ王室オペラのプリマドンナ…え!アイリーン・アドラー!?」
「…ッチ!モリアーティ教授…掛け値なしの悪党だぜ!」
コナンも、その内容を見て小さく舌打ちしながら呟く。
「誰なんだ?アイリーン・アドラーって?」
「アイリーン・アドラーは、ホームズが生涯で唯一愛した女性と言われているのよ」
諸星は不思議そうに尋ねるため、名前が諸星にそう説明する。
「モリアーティ教授は、ホームズの愛する女性をわざわざ殺しのターゲットに選んだってわけか」
快斗はそれを聞いて小さくため息をついて呟いた。