「ベイカー街の亡霊」編
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早朝の静かなロンドンの街に、暖かい朝日が昇り始める。
(…ここが第二の犠牲者の、ハニー・チャールストンの遺体が発見された現場か)
コナンは一睡もせずに、朝日が昇ると同時に宿泊所を出て、ひとりでも割ホワイトチャペル地区のセント・マリー教会に来ていた。
card.349
「…ん?」
考えを巡らせながらコナンが教会の敷地内を歩いていると、ふと1枚の貼紙が目に入る。
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【教会の親子バザー】
十月も第二土曜日に
親子バザーを開催します。
親と子で作った物を
持ち寄って楽しく盛大に
バザーを開きましょう。
アーサ・E・ミートム
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「………第二土曜日」
コナンは貼紙を見て、ホームズの下宿で見た事件の詳細が記されたファイルの内容を思い返す。
(確か、パニック・チャールストンが殺害されたのは…9月8日、土曜日だ!)
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「おい、快斗…あのメガネどこ行ったんだよ?」
「オメー、快斗って…」
朝早くに宿泊所を出た快斗達は、少し大きな公園の階段に腰を降ろしていた。
「何だよ?この俺が、名前で呼んでやってるだけ良いだろ?」
諸星達が目が覚めた時には、既に部屋にコナンの姿はなかった。諸星達は、訝し気にどこにいったのかと快斗に尋ねる。
「……ふふ、コナン君は朝散歩に行くって言って出かけたわよ」
(…何だかんだ言って、子供とこうやって仲良くなるのよね…快斗は)
名前は、そんな快斗達の会話に苦笑しながら諸星の質問に答える。
「さ…散歩ぉ!?」
「…あいつ緊張があるのか、ねーのか分からんねぇな」
江守と滝沢は、名前の言葉に呆れたように目を見開くと、口々に文句を言っている。
「……で、あいつ本当はどこ行ったんだよ?」
不満気な滝沢達を横目で見ながら、名前の耳元で快斗が尋ねる。
「…2人目の被害者の殺害現場に行きたいって言ってたわよ?」
「へぇ…教会だったか?」
「…ええ、あの指輪の事が引っ掛かってるみたいね」
名前も、コナンの考えが分からず首を傾げる。
「あら…戻って来たわよ」
そんな2人の足元で、灰原がチラリと快斗達の後ろに視線を向ける。
「悪ぃ!!待たせたな!」
名前と快斗がくるりと振り返ると、コナンが軽く手を上げながら近づいて来る。
「……おかえ」
「あーっ!戻ってきた!」
「メガネ!オメー、こんな時にどこ行ってたんだよ?」
戻ってきたコナンに気付いた滝沢達が、名前が声をかけようとした言葉を遮って声をかける。
「……すっかりなつかれて。結局仲良くなってるわよね」
「そうみてーだな」
名前と快斗は、ワイワイとコナンに群がる滝沢達の姿を微笑んで見つめる。
「あー、ちょっと街を探検に…」
「探検って、呑気だよなぁ…対決の日だってのに…」
諸星達の問いにコナンは困ったように頬を掻きながら曖昧に答えると、諸星が呆れたようにため息をついた。