「ベイカー街の亡霊」編
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「…………。」
ワインを掲げたコナンと、コナンに銃口を向けるモラン。名前達は、そんな2人の様子をジッと見つめている。
「…何のつもりだ小僧?」
モランは、銃口をコナンに向けたままジロリと睨みつけた。
card.342
「僕を撃ったら、このワインが割れちゃうよ?」
銃口を向けられても、コナンは相変わらず余裕の笑みを浮かべたままモランに告げる。
「ふん、それはどういう意味だ?」
「あなた達が、ポーカーをしていたテーブルの空席だよ」
「………。」
快斗は、名前に言われるがままに今の状況を作り出すのに協力したが、コナンの行動の意図がわからないため、黙ったままコナンの話に耳を傾ける。
「特別に装飾された椅子と、そこへ来る人物のために用意されたグラスとワイン…」
「!?」
コナンの言葉を聞いたモランの顔つきが僅かに変わる。
「それをヒントに、そこへ来る人物を推理すると…モリアーティ教授しかいないって事さ!!」
「ふっ…残念だが、その推理はハズレだな…」
「ふぅん…じゃあ、撃てば?教授のワインが割れても良いならねっ!」
「くそっ!!」
モランは、忌ま忌まし気にコナンを睨みつけると、迷いながらも引き金にゆっくりと指をかける。
「…………。」
モランに対しては、余裕のある態度を見せているコナンであったが、実際は一か八かの行動に出ていた。そのため、戸惑いながらも拳銃の引き金に指をかけたモランの動きを見て、内心冷や汗をかきながらモランと対峙する。
「………名探偵」
「………。」
(新一……)
快斗達は、睨み合う2人の様子を固唾を飲んで見守る。
-----カランカラン…
「…ん?」
「!?」
引き金にかかったモランの指に、僅かに力が篭ったタイミングで、突然ベルの音と共に店の扉が開く。
緊迫した状況の中、コナン達が入口に視線を向けると、そこには帽子を深く被り表情の見えない一人の男性が立っていた。
「…モリアーティ様が、皆さんにお会いしたいと申しております」
「!?」
どうやら、その男は教授の使用人のようで、緊迫した空気の中に不釣り合いな穏やかな口調で告げる。
「モリアーティ教授が、私達に…?」
名前も思わぬ展開に目を見開く。
「…馬車でお待ちでございます。こちらへどうぞ」
男はそう告げると、くるりと踵を返して店から出ていこうとするが、その背中に向かってモランが声をかける。
「お、お待ちください!」
「………え?」
使用人を呼び止めたモランの横顔を、名前は不思議そうに見つめる。
「モリアーティ様に逆らうつもりですか?」
呼び止められた使用人は、モランの言葉にチラリと首だけで振り返るとそう尋ねる。
「……うっ、」
モランは、その言葉に口ごもると気まずそうに視線を逸らす。
「…………。」
コナン達は、そんなモランの姿を横目で見ながらも使用人に続いて店を後にした。