「ベイカー街の亡霊」編
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「……快斗まずいわよ」
「ああっ…このままだと全員ゲームオーバーだ!!」
菊川に続いて歩美達までゲームオーバーになってしまったが、それでも争いが続いている状況に名前達は眉を寄せる。
(何か…何か、この状況を切り抜ける方法はないの…!?)
名前は男達の攻撃を避けながら、悔しげに唇を噛んだ。
card.341
「………。」
ザワザワと争いが続く店内で、モランが諸星が落とした拳銃を拾いあげて、拳銃に彫られたイニシャルを確認して目を見開く。
「S・H……シャーロック・ホームズ?」
モランは表情を険しくして、男から逃げ回っているコナンの背中に銃口を向ける。
「コナーン!!危ねぇっ!」
そんなモランの行動に気付いた元太が、銃口とコナンの間に飛び出す。
---ガウンッ!!
「!!」
「……元太君っ!?」
ふいに聞こえた銃声に名前が振り返ると、そこには光に包まれる元太の姿。
「げ…元太!?」
コナンは、どんどん身体を包む光が強まっていく元太に慌てて駆け寄る。
「チェッ…ゲームオーバーか。コナン…切り裂きジャック必ず捕まえてくれよな!
その言葉とともに、元太の身体はまばゆい光に包まれる。
---パァァ…
-----シュルルル…
「……遊びは終わりだ」
元太が消え去ると、モランがスッとコナン達に銃口を向ける。
「捕まえて誰の手先か白状させようと思ったが、その必要もなくなったようだ!この銃は、ホームズものだからな!」
「ーっ、」
(くそっ!!どうすれば良いんだ…)
銃を向けられたコナンは、悔し気に眉をよせる。
「………新一」
そんなコナンの横に立つ名前が、聞こえるか聞こえないか分からないくらいの小声でコナンに声をかける。
「…?」
コナンは、モランに気付かれないようにチラリと名前に視線を向ける。
「あの"ワイン″…」
名前がポツリと呟いた言葉を聞いて、コナンが視線を移すとワインを大事そうに抱える男の姿。
「…!!」
(あれは、あの席に置いてあったワイン…そうか、そういう事だったのか!)
コナンは、ワインと特別に用意されていた空席を思い出して1つの答えにたどり着く。
「……名前、一瞬でイイから奴らの注意を引けるか?」
「……何とかするわ」
コナンと名前が小声でやり取りしていると、名前の横で心配気に快斗が名前に声をかける。
「…おい、名前何する気だよ?」
「快斗……一瞬で良いから、大佐の注意を新一からそらしたいの」
「……分かった、俺に任せろ」
名前が小声で状況を快斗に伝えると、何か案があるのか快斗は小さく頷く。
「「……………。」」
快斗とコナンは、チラリと目を見合わせてタイミングを合わせるように小さく頷き合うと、同じタイミングで行動にうつす。
----バッ!!
「なっ!?」
---ブンッ!!
快斗はカウンターのすぐ脇に立っていたため、カウンターに並べられた酒瓶を掴むと、勢いよくモランの頭上の天井に向かって投げつける。
「な、何っ?くそっ!!」
----ガッシャーン!
モランは突然の出来事に、視線をコナンから自分の頭上に移すと、自分に降りかかる割れた酒瓶や酒を慌てて避ける。
---ダッ!
「なっ…こいつっ!?」
その隙にコナンは勢いよく駆け出すと、ワインを抱えていた男に飛びついて、男からワインを奪い取る。
「………なっ!?」
ほんの僅かな時間視線を逸らしていたモランが、再びコナンに視線を向けると、そこにはワインを片手で掲げ不敵な笑みを浮かべるコナンの姿があった。