「ベイカー街の亡霊」編
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「ガキどもを捕まえろっ!!」
「オォォォーッ!!」
銃を撃った衝撃で倒れこんだ諸星に向かって、1人の男が椅子を振り上げて殴りかかろうとする。
「うわぁっ!?」
「ーっ、諸星君!」
名前は咄嗟に店の裏口に置かれた酒の空き瓶を手に取り、諸星と男の前に飛び出した。
card.339
「名前ちゃん!?」
戸惑ったような快斗の声を背中に聞きながら、名前は諸星に向かっ駆け出す。
---ブンッ、ガッシャーン!!
「うわっ!?」
そして持っていた空き瓶を椅子を振り上げている男に向かって、勢いよく投げつける。
「諸星君、立って!私の後ろにっ!」
男が怯んだ隙に名前は諸星に駆け寄りり身体を抱き起こすと、自分の後ろに隠すようにして諸星の前に立つ。
「お、おばさん!?」
「おばさんじゃなくって、"名前″……よ!!」
名前はこんな状況の中でも、諸星の言葉に眉をよせて反論しながら、自分に向かってくる男達を蹴りあげる。
「ーっ!?この女っ!」
男達は思わぬ名前の反撃に、僅かに動揺して距離をとる。
「……ハァ、意外と人数が多いわね…」
(もう!私は空手少女の蘭ほど強くないんだから…あんまり長引くとまずいんだけど…)
名前は狭い店内のどこにいたのか思うくらい、次々と現れる男達に小さく眉をよせながら男達を撃退していく。
「名前!!……くそっ、」
快斗は自分向かってくる男達を撃退しながら、名前の元に駆け寄ろうとするが、滝沢に向かって襲い掛かろうとする男が目に入り舌打ちする。
(ったく!!どいつもこいつもっ!)
「滝沢っ!!屈めっ!!」
「……えっ!?」
---ブンッ!!
突然名前を呼ばれて戸惑う滝沢だったが、咄嗟に聞こえてきた言葉通りに屈むと、自分の頭上を快斗が投げた椅子が通過していく。
---ドカッ、
「ぐわぁっ…」
「よし…立て!こっちだっ!」
「あ、ああ…」
椅子は見事に滝沢に襲い掛かろうとしていた男にぶつかり、男は声をあげて倒れる。その隙に快斗は驚いて固まっている滝沢の手を、右手でグイッと引いて駆け出す。
「……快斗、大丈夫?」
「ああ…名前も無事で良かった。心臓に悪いから、無茶しないでくれよ…本当に」
男達に反撃しながらも、名前と快斗は徐々にお互いの距離を縮めていき、自然と背中をお互いに預けるようにして立って背中を向けたまま言葉を交わす。
「諸星君、そこに置いてある空き瓶を持って!!」
「オメーら、怪我したら終わりだぞ!!あいつらの攻撃には絶対当たるなよ!」
そして自分達の背中で隠すようにして、諸星と滝沢を庇いながら声をかける。
「あ、ああ…」
諸星達はそんな状況に戸惑いながらも、言われた通り辺りを警戒している。
「……っ!?」
「覚悟しろ!このガキ!!」
名前達と同じように、コナンも数人の男に追われていた。コナンも俊敏に攻撃を避けながら机を倒したりして、反撃している。
「メ、メガネ!危ねぇっ!」
そんな中、コナンの背後から空き瓶を振り上げる男が目に入った諸星が思わず声をあげる。
「!?」
「おらぁっ!!」
---ドカッ!
咄嗟の事に反応出来なかったコナンだったが、振り向いた先では元太が瓶を持った男に向かって突進していて思わず目を見開く。
「げ…元太!?」
「加勢するぜ!コナン!」
「いえーい!一丁上がりっ!」
辺りを見渡してみると、元太だけでなく江守や光彦達も空き瓶や棒を片手に男達と戦っている。
「おい!?マズイぞ…全員参加じゃねぇかっ!!」
コナンはそんな店内の状況を見回して思わず目を見開いた。