「ベイカー街の亡霊」編
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「イカサマだ!モランって奴はイカサマ野郎だっ!」
突然声を上げた諸星とその横に立つ滝沢の姿に、モランは何故こんな所に子供がいるのか?というように、僅かに目を見開いた。
card.338
「小僧、口の利き方に注意するんだな!イカサマの証拠でもあるってのか?」
しかしモランの表情が崩れたのはほんの一瞬で、すぐに冷静になって諸星達に声をかける。
「もちろんさ!アンタと仲良しなんだろ?その猿…」
「!?」
「!!」
諸星がニヤリと笑って放った言葉に、モランはピクリと眉を寄せ、モランとポーカーをしていた男は、バッと後ろを振り返って自分の後ろにいる猿を睨みつける。
「…おじさんのカードを見て、スペードの3なら右手で黒い実を3個、ダイヤの5なら左手で赤い実を5個食べてたよ」
諸星の言葉を聞いて、ポーカーの対戦相手はガタンと立ち上がってモランに詰め寄る。
「モラン!汚ねーぞっ!!」
「ふんっ、引っ掛かるてめぇが悪いんだよ」
「何だとっ!?」
しかしモランは、詰め寄られても動揺せずに平然と開き直ってみせる。
--カチャ
「…おっと、そっちの揉め事は後にしてもらおう」
そんなモランに向けて、諸星がスッと拳銃を構える。
「ちょっと…あの銃!」
「あいつ持ってきてたのかよ!?」
物陰で何かあった時はすぐに飛び出せるように様子を伺っていた名前と快斗は、諸星が取り出した銃に目を丸くする。
「モリアーティ教授はどこにいる?」
戸惑う名前達を尻目に、諸星は拳銃を構えて不敵に笑いながらモランに尋ねる。
「なっ!?小僧、あのお方の名をどこで!?」
しかしモランは、子供の口から飛び出た思わぬ人物の名前に目を見開いて諸星達に詰め寄る。
「…も、諸星!」
「くっ……止まれっ!」
--ガウンッ!
突然詰め寄ってきたモランに動揺した諸星と滝沢。諸星は、思わず銃の引き金を引いてしまう。
「…くっ!」
--ドサッ!
「うわっ、」
銃弾はモランの肩を掠めるが、銃を打った諸星は初めて撃った銃の衝撃によって、滝沢と供に後ろに倒れてしまう。
--ガタン…
そんな騒動のなか、モランの横に向かっていた男が、咄嗟に空いていた席に置かれたワインを守るように抱き抱える。
「…え?」
名前は、その男の不可解な行動にピクリと反応する。
「ガキどもを捕まえろっ!!」
「オオーッ!!」
「うわーっ!」
そんな中、モランの怒鳴り声に反応して店内にいた男達が一斉に諸星達に向かってきた。