「ベイカー街の亡霊」編
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card.337
「………。」
(何とかモラン大佐から、モリアーティ教授に接触してーが…どうすっかな…)
コナンは物陰からモランを見つめながら頭を働かせる。
--コツ…
「おい、どうだ?メガネ…」
コナンが、突然自分の後ろで聞こえた小さな物音にピクリと反応すると、それと同時に後ろから声が聞こえる。
「……えっ!?」
くるりと振り返った先には、諸星と滝沢の姿。
「お、お前ら…何で!?……おい、こいつら頼むって言ったじゃねーか!」
コナンは、諸星達の後ろにいる名前と快斗をジロリと見ながら呟く。
「だって…仕方ないじゃない」
「大人しく言う事聞くような奴らじゃねーだろ」
名前と快斗は少し気まずそうに小さく肩を竦める。
「ま、そーいう事だな」
「手柄を独り占めしようったって、そうはいかないぜ!」
「…………はぁ」
ニヤリと得意気に笑う諸星と滝沢に、コナンは小さくため息をつく。
「……とにかく、奴らに気付かれないようにしろよ」
コナンは諸星達にそう声をかけながら、再びモラン達に視線を戻す。
「ストレート!!」
モランの前に座った男性が,自信満々に自分の手札を見せるが、モランはそれを見ても全く動揺しない。
「悪いな…フラッシュだ」
「な、何っ!?」
そして、モランがサラリと自分の手札を披露すると男は驚いたように声をあげる。
「モラン…お前、今夜はついているようだな」
「わっははは!!」
「くそーっ!」
「モランってポーカー強えんだな…」
その光景を見ていた諸星が、感心したように呟く。
「いや…あれはイカサマだ」
「「な…何っ!?」」
名前の隣で呆れたようにポーカーを見ていた快斗がそう呟くと、諸星と滝沢は目を見開く。
「お前…分かるのか?」
「俺は"お前″じゃなくて、"黒羽快斗″ね。……ほら、あの猿見てみろよ」
快斗は苦笑しながら滝沢の頭をガシガシと撫でたあと、モラン大佐の正面の男性の後ろにいる小猿を視線で示す。
「あの猿がなんだよ…?」
「あの猿が、モラン大佐に相手の手を教えてるんだ」
「えっ…」
「どうやって?」
「ハートとスペードなら右手、ダイヤとクローバーなら左手で……その色の実を数に応じて食べるように調教されてるんだ」
首を傾げる諸星と滝沢に、今度は同じようにイカサマに気付いていたコナンが、モランに視線を向けたまま説明する。
「汚ねぇ奴だな…」
快斗とコナンの説明を聞いた諸星は、不満気に呟く。
「………ん?」
快斗達がそんな話をしている中、名前はテーブルの一番奥の空いている席に目を向ける。
「…名前どうした?」
「あの空いている席…わざわざ特別な椅子とテーブルクロスとワインまで置かれてるわ」
快斗に声をかけられ,名前は不自然にあいているその席を見つめながら呟く。
「確かに…なぜあんなものが…?」
快斗と名前の会話を聞いていたコナンも、名前の目線の先の席を見つめながら呟く。
「イカサマだっ!!」
「え!?」
名前達が不自然な席に気をとられていると、ふいに背後から大きな声が響く。
「モランって奴はイカサマ野郎だ!」
「お、おいっ!オメーら!「」
「……馬鹿っ!」
「やっぱり、この子達に大人しくしてろ…って言う方が無茶だったのかしら…。」
驚いたコナン達が声がした方に視線を向けると、滝沢と諸星が堂々と立ち上がってモラン達に向かって啖呵を切っていたのだった。