「ベイカー街の亡霊」編

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card.332



「しっかし、探すったって全部英語だからなぁ」

名前と快斗が灰原に少し遅れてコナン達の元に戻ると、元太が適当に本棚から取り出した本をパラパラとめくっている。

「えーと…」
【Initial Investigation for Crime……】
「……犯罪における初動捜査……げっ!?俺って天才か!?」

元太は信じられないというように、バッと本から視線をあげて目を見開く。

「プレイヤーは、英語が読めるようにフプログラムされてるようよ」

そんな元太に向かって、灰原が本から視線を逸らさずにサラリと告げる。

「……ちぇっ、だったら俺ずっとゲームの中にいてーなぁ」

「何を言ってるの?元太君っ!」

「このままだと僕達、ゲームオーバーになって死んじゃうんですよっ!」

ポツリと呟いた元太の言葉に、歩美と光彦が鬼のように反論する。


「………。」

---ドサッ
諸星はそんな光彦達をチラリと見ながら、見ていた本を投げやりに本棚に戻す。
---ゴロッ
「………おっと、」
すると本棚の上に置かれていたボールが、本を戻した振動で落ちてきたため、諸星は慌ててキャッチする。

「何だよ、きったねぇボール…」

そして、つまらなそうにそう呟くと薄汚れたボールをポイッと後ろに放る。

---パシッ!
「こ…これって、」

そのボールを、諸星の後ろのソファに座っていた滝沢がキャッチして目を見開く。

「おい、江守!!これ百年前のサッカーボールじゃねーか?」

「まじかよっ!うわぁー、これが!?すげぇーっ!」


「……………。」

一連の流れを見ていた名前は、小さな違和感を覚えて諸星も横顔を見つめる。


「おい!あったぜ、これじゃねーか?」

そんな名前の背後で、快斗が1つのファイルを手に声をあげたため、名前は諸星から視線を逸らして快斗に近付く。

「快斗、あったの?」

「ああ。ほら、"ジャック・ザ・リッパーに関する考察″だとよ」

快斗は部屋の真ん中にあるテーブルにファイルを置きながら、そのタイトルを読み上げる。

「一番最初に起きた事件は……」

そんな中、いち早く近付いて来たコナンがパラパラとファイルをめくり始める。

「おい、名探偵…これじゃねーか?ほら、8月8日…」

快斗はコナンの横からファイルを覗きこんで、1つの記事を指差す。

「ん?ああ、そうみてーだな。えーと、場所は…」

コナンも小さく頷きながら、記事の詳細を確認していく。



「…………。」
(なんか2人が協力し合ってるのって新鮮だわ…)

名前は、そんな快斗とコナンの姿をぼんやりと見つめる。怪盗キッドが変装した"新庄″とコナンが協力している姿は見た事があったが、本来の姿の快斗とコナンがいがみ合わずに並んで会話している姿に名前の口元には自然と笑みが浮かんだ。
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