「ベイカー街の亡霊」編
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card.328
---ベイカー街
「…221番地のB…ここね」
ようやくベイカー・ストリートにたどり着いたコナン達。メンバーの中では一番の年長者である名前と快斗が先頭に立って、番地を確認してから扉をノックする。
---コンコン
「シャーロック・ホームズ…どんな人なのかしら」
扉をノックした名前は、期待を込めた瞳で扉を見つめる。
「名前ちゃん楽しみなの?」
「ええ…少しね。ゲームのキャラクターとはいえ、ホームズに会えるなんて貴重な体験だもの」
「…ふーん」
(こいつ、そんなにホームズ好きだったのかよ。名探偵の影響か?)
珍しく嬉しそうにしている名前の横顔に、快斗は何となくつまらなそうにため息をつく。
「ここに、あのシャーロック・ホームズが住んでるのか!」
元太は目の前の建物を、キラキラとはさた瞳で見つめながら呟く。
「ここは…ワトスン博士と一緒に借りてる下宿だよ」
そんな元太に、コナンが笑顔で説明する。
--ガチャ
「…こんな夜中にどちら様?」
扉が開くと、中からは下宿の管理人と思わしき女性が出てくる。
「あ…俺、黒羽快斗です。夜分遅くに申し訳ありませんが…ホームズさんにお会いしたいんですが…」
快斗は、ニッコリと人当たりの良い笑みを浮かべて挨拶する。
「あら…ホームズさんとワトスン博士は出張でいませんよ?」
「……出張!?」
快斗は思わぬ返事に目を丸くする。
「…ええ。"ダートムーア″と言う田舎に」
「ダートムーア…すみません、今日って何日でしたっけ?」
名前はその地名を聞いて小さく息をのむと、女性にそう尋ねる。
「9月30日よ?」
「………9月30日。ダートムーアって、もしかして!」
名前はその日付と地名を聞いて、何かを確信したようにくるりと後ろにいるコナンの方を振り返る。
「ああ……"バスカビル家の犬″事件だ!」
コナンと名前は同じ事を考えていたようで、真剣な表情で顔を見合わせる。
「……何だよ?何とか犬事件って」
快斗は首を傾げながら、小声で名前に尋ねる。
「バスカビル家の犬事件……事件の調査で、ちょうど2人がロンドンを離れている時よ」
「おいおい…どういう事だよ?」
快斗は、目当てのお助けキャラがいない状況に困惑する。
「…もしかしたら、ノアズ・アークの仕業かもしれないわね」
そんな快斗と名前の足元で、灰原がため息混じりに呟く。
「哀ちゃん…それって、つまり…もしかして…」
「私達は、お助けキャラなしでこのゲームをクリアしなきゃならないみたいね」
認めたくとでも言うように、ハッキリと結論を口にしない快斗を尻目に、灰原がサラリと告げる。
「…げーっ、まじかよぉ」
快斗は小さくため息をつくと、ガシガシと頭を掻く。
「…本当、手強いわね」
「クリアさせる気ないんじゃない?」
名前と灰原も顔を見合わせてため息をつく。
「………。」
(おいおい、博士。どーするんだよ)
コナンも快斗達と同じように困惑した様子で上空を見つめながら、思わず現実世界にいる阿笠に心の中で問いかけた。