「ベイカー街の亡霊」編
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「博士の声、聞こえなくなりましたね」
「ノアズ・アークに交信を切断されたようだな」
コナンは、ため息をつきながら上空から視線をそらす。
「じゃあ…僕達、どうやってお助けキャラを探せば良いんです?」
光彦が心細そうにコナンに尋ねるが、コナンは光彦に向かって口角をあげてニヤリと笑った。
card.324
「それなら、さっき警官が話してたろ?レストレード警部に連絡だってな!」
快斗と話していて警官の言葉を聞いていなかった名前は、コナンの言葉を聞いて目を見開く。
「え?"レストレード警部″って…あのレストレード警部?」
「…おい、誰なんだよ?そのレストレードって」
滝沢が不思議そうに首を傾げて尋ねる。
「…コナン・ドイルの推理小説に出てくる有名な警部の事よ。もしかしたら、このゲームは現実と小説を混ぜてある世界なのかも…」
「……小説?」
名前は、しゃがみ込んでいる滝沢のそばに屈んで"レストレード警部″について簡単に説明する。
滝沢は、わざわざ自分に視線を合わせて話しかけてくれる名前の態度に戸惑いながらも、レストレード警部がなぜお助けキャラに繋がるのかわからないようで、不思議そうに首を傾げる。
「じゃあ、もしかしてお助けキャラって…」
そんな滝沢とは違い、名前の説明からお助けキャラに検討がついた快斗は、目を見開きながら呟く。
「ああ!!いるはずだよ、あの"シャーロック・ホームズ″がなっ!」
そんな快斗の言葉に続いて、どこか嬉しそうにコナンがその有名な名前を口にする。
「わぁ、本当!?」
「ホームズがいれば百人力ですね!」
「よっしゃーっ!!このステージはいただきだぜっ!」
ホームズの名前を聞いて、ワッと盛り上がる元太達。
「……………。」
諸星達は、盛り上がる光彦達を黙ったまま見つめている。
「本当に、ここは彼好みの世界みたいね」
「ええ…そうね」
こんな状況でも、どこかワクワクしたような表情を浮かべるコナンを見て、呆れたように呟く灰原に、名前は苦笑する。
(新一好みでもあり…優作さん好みって事ね)
そして空を見上げながら小さく微笑んだ。
「……とにかく、そうと分かればベイカー・ストリートを目指すしかねーな。そこにいるんだろ?」
コナンほどホームズに詳しくはない快斗だが、先程通信した時に阿笠の言いかけた言葉を思い出してコナンにそう尋ねる。
「ああ…」
コナンは快斗に声をかけられて、僅かに戸惑いながらも小さく頷く。
(……こいつ、飛行機を操縦したり菊川を助けたり…"怪盗″でさえなければ頼もしい奴なんだろうけどな)
コナンは、怪盗キッドである快斗を素直に受け入れ切れない自分に小さくため息をつく。
「よーしっ、じゃあ行こうぜ!」
行き先が決まった事で、ぼんやりとではあるが解決の糸口が見えはじめたためか、子供たちの表情は僅かに和らぐ。そして、元太の掛け声とともに笑顔でベイカー・ストリートに向けて歩き始めた。
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「………ふぅ、」
(よしっ、いいぞ!!ホームズに会えさえすれば…!)
モニタールームでコナン達を見守っていた阿笠は、お助けキャラの正体にたどり着いた子供達に小く安堵の息をついた。