「ベイカー街の亡霊」編
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「はい、どいてどいて!」
名前達が物陰で会話していると、野次馬を掻き分けて警察が到着し、死体を確認する。
「おい!!すぐにレストレード警部に連絡だっ!」
「はいっ!」
「?」
(レストレード警部?)
コナンは、警察の言葉にピクリと反応して、物陰から警察のやり取りを見つめていた。
card.322
「博士…彼等と交信出来ますか?」
「何とかやってみよう!」
現実世界では、何とか子供達を守ろうと優作達が思案していた。
「工藤先生がゲームの監修をしたのなら、どうすれば攻略出来るかご存知なんでしょう?」
「ええ…交信さえ出来れば、彼等に指示を与えて助けてやる事は出来ますが…」
優作の返事に、小五郎の表情はパッと明るくなる。
「なら鬼に金棒だ!!このステージは楽勝だぜ!」
「………。」
(しかし…ノアズ・アークが先の先まで読んでいるとすれば)
小五郎とは対照的に、優作は真剣な表情で考えこんだ後に口を開く。
「博士、後は頼みます。私は現場へ…」
「わかった!!」
---バタン…
そう言い残すと、優作は事件の調査のためかモニタールームを後にした。
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「…ったく、犯人を捕まえろったって…どこを探しゃいいんだよ!?」
その頃ゲームの中では、コナン達が事件現場から少し離れた小さな橋の上に移動していた。諸星は、欄干に寄り掛かりながら投げやりに呟く。
「とりあえず、朝になるまで待つしかありませんね。」
薄暗い辺りを見渡しながら、光彦はため息をつく。
「…ックシュ!」
そんな中、夜が更けてさらに気温が下がったためか歩美が小さくくしゃみをする。
「…これ着ろよ」
コナンは、そんな歩美にスッと自分の上着を渡す。
「………あ。」
光彦も歩美に渡そうと上着から腕を抜きかけていたが、コナンに先を越されてしまう。
「…灰原さん、上着をどうぞ」
「あら…ありがとう」
しかし光彦は、そのまま上着を脱いで隣にいた灰原に手渡す。
「!」
それを見た元太も、そそくさと上着を脱ぐ。
「……これ着ろよ!」
そして、スタスタと名前の元まで近付いて来て、名前に向かって笑顔で自分の上着を差し出す。
「バーロー、それは俺の役目だろーが!」
しかし、名前の隣に立つ快斗が、グリグリと元太の頭を撫で回しながら苦笑いする。
「いでででっ!」
頭を撫でられて声をあげる元太に、名前は苦笑しながら微笑んで声をかける。
「元太君、ありがとう。気にしてくれて嬉しいわ」
そう言いながら微笑む名前は、コナンが歩美に上着を貸すだいぶ前に渡されていた、快斗の上着を既に身に纏っている。
「…オメー、あいつらと違って1人だけ下が半袖なんだから…それ着てろよ」
光彦やコナンは上着を脱いでも下に長袖を着ていたが、1人だけ半袖姿の元太の頭を快斗が優しくポンッと叩く。
「………チェッ、」
元太はどこかつまらなそうに上着を片手に、元いた位置に戻ろうとする。
「……………。」
「ん?」
すると、今までの自分達の一連のやり取りを、つまらなそうな、何とも言えない顔で見ている諸星達と目が合う。
「何だよ?…オメーら着るか?」
「なっ!?着るわけねーだろっ!」
そして、元太は行き場のなくなった自分の上着を、なぜか諸星達に差し出して大声で拒否された。
《………聞こえるか!コナン君!阿笠じゃ!》
「!?」
「聞こえるよ、博士!」
その時、ふいに頭上から聞こえてきた阿笠の声に、コナンはパッと空を見上げて答える。
「……通信?」
「そうみたいだな」
名前と快斗も聞き覚えのある、穏やかな口調の阿笠の言葉を聞きながら空を見上げる。
《よく聞くんじゃ!そのステージでは、傷を負ったり、敵や警官に捕まったりするとゲームオーバーになるぞ!》
阿笠は、ゲームをクリアするのに必要な情報を伝えはじめる。
「何だよ…怪我しただけで、ゲームオーバーかよ」
「…気をつけねーとな」
江守と滝沢も頭上から聞こえる阿笠の言葉に、目を丸くして言葉を交わす。
《……今、君達がいる場所は…イーストエンドのホワイトチャペル地区じゃ!そこから、お助けキャラのいるベイカー・ストリートまでは……》
----ザザザッ!
「な、なんじゃ!?」
「…どうしたんです?」
攻略方法を話していた阿笠は、ふいに混じり始めるノイズ音に目を丸くし、阿笠の後ろから小五郎が心配そうに覗きこむ。
「どうしたの!?博士、聞こえないよっ?」
ゲームの世界では突然途切れた阿笠の声に、コナン達が首を傾げている。
「…何かおかしくない?」
「ああ…名前、俺から離れるなよ」
名前は空を見上げたまま眉をよせ、快斗は辺りを警戒しながら右手で名前の身体を抱き寄せた。