「ベイカー街の亡霊」編
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「みんながゲームオーバーなったら、本当に死んじゃうのかな?どうして僕達がこんな目に遭わなくちゃいけないんだよ…」
「好きでお父さんの子供に生まれたわけじゃないわ……私、生き残れそうにない…」
「誰でも良いから生き残って、僕を助けてくれよーっ!!」
ノア・アークの説明を聞き終えた参加者の子供達は、悲痛な声をあげた。
card.319
「おい、オメーら…そんな事言ってないで元気出せ!」
自分の足元で泣き言を言う見知らぬ子供達を見て、快斗はニカッと笑いながら頭を撫でる。
「そうね。たった一人でもゴールにたどり着けば良いんだもの」
「みんな!!この中から、自分が生き残れそうなステージを選ぶんだ!」
快斗の言葉に続いて、名前とコナンも周りにいる子供達に声をかけて励ます。
「………チェッ、やるしかねーよな」
涙を浮かべる参加者の子供達の中で、平然と不服そうな表情を浮かべる諸星が面倒くさそうに呟く。
「しょうがねぇか…」
諸星の言葉に、しゃがみ込んでいた滝沢もため息をつきながら立ち上がる。
「諸星君…どのステージにするの?」
菊川は二人に比べると恐怖心があるのか、不安気に諸星に声をかける。
----ザワザワ…
諸星に続いて他の子供達も観念したのか、ポツポツとそれぞれがステージを選択し、自分の選んだステージの入口に向かっていく。
"オールド・タイム・ロンドン″と書かれた入口にコナン達が向かっていくと、既に諸星達が立っている。
「チェッ…お前らも一緒かよ」
諸星は、コナンや名前達を見て心底嫌そうに顔をしかめて見せる。
「足手まといにならないでよね!」
「それは、こっちの台詞だってーの!」
菊川にジト目で反論する元太。
「おいおい、オメーら、喧嘩ばっかりしてんなよ」
快斗は、呆れたように元太の頭をコツンと軽く叩く。
『各ステージには、お助けキャラがいるから頼りにすると良いよ……では、ゲームスタート!』
そんな元太達を尻目に、ノアズ・アークがとうとうゲームをスタートさせる。
「さぁ、行こう!」
コナンが先頭に立って、光を放つゲームステージの入口に進んで行く。
「謎解きとなると、名探偵と名前ちゃんの専門分野だな」
コナンや諸星達の後に続く快斗が、名前を見てニヤリと笑う。
「…あら、命がかかっているっていうのに随分余裕そうね?」
笑顔を浮かべる快斗と見て、名前が首を傾げる。
「まぁ…一応、もともとは子供向けのゲームだろ?見た目は子供とは言っても、名探偵もいるし…何とかなるだろ」
「………。」
快斗の言葉に、下を向いて黙り込む名前に快斗は首を傾げる。
「……名前ちゃん?」
「……私は嫌よ」
「え?」
「……こんなバーチャルの世界で、生身の快斗に会えないまま眠り続けるなんて嫌だから」
名前は、どこか不機嫌そうにそう呟くと、快斗には構わずにどんどん入口の光に向かって行ってしまう。
「…………。」
ポツンと置いていかれた快斗は、名前の背中を見つめながら、ガシガシと頭を掻く。
「……こりゃ、俺も本気出さねーわけにはいかねぇな」
そしてゆるりと口角をあげながら呟くと、足早に名前の後を追って光に包まれた門の向こうへと消えて行った。