「ベイカー街の亡霊」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
card.318
「日本のリセットとはどういう意味だね?」
モニタールームにいる優作は、ノアズ・アークに向かって質問する。
『現実の世界の声は、ここにいるみんなには聞こえないけど…今、大人から質問があったから答えるね』
「………。」
(優作さん達かしら…)
現実の世界の状況が分からないなか名前は、黙ったままノアズ・アークの言葉に耳を傾ける。
『君達を見ていると、汚れた政治家の息子は汚れた政治家にしかならないし……金儲けだけ考えている医者の子供は、やっぱりそういう医者にしかならない。日本を良くするためには、そういう繋がりを一度チャラにしなくちゃ…』
----バンッ!!
「おいっ!!いい加減にしろ!人間の命を弄ぶ権利がお前にあるのかっ!?」
ノアズ・アークの説明を聞いた小五郎は、我慢出来ないというように怒鳴り声をあげる。
『……ないよね。ヒロキ君の命を弄ぶ権利が、大人達になかったように…』
「………。」
その言葉に、シンドラーは小さく息をのんで眉をよせる。
ゲームの世界では、快斗が隣で腕を組んでノアズ・アークの説明を聞いている名前にチラリと視線を向ける。
--ヒロキ君だったかしら?その"天才少年″--
(やっぱり今回の件、"ヒロキ君″が関係してるんのか?さすがというか何というか…怖いねぇ、"探偵″って…)
快斗は、名前と同じ様な表情でノアズ・アークの言葉を聞いているコナンの横顔と名前を見比べながら、どこか楽しそうに小さく苦笑する。
『さて、子供達がお待ちかねだから…そろそろゲームを始めよう…』
「……快斗?どうしたの?」
ノアズ・アークの話がゲームの話題に変わったため、真剣な表情で話を聞いていた名前は、少し力を抜いて小さく息をつく。そして、隣の快斗が口元に笑みを浮かべているのに気付いて、訝し気に首を傾げる。
「んー?何でもねーよ」
快斗は、ポンッと名前の頭を撫でると更に言葉を続ける。
「ほら、ゲームのステージ説明が始まるみたいだぜ?」
「……え、ああ…そうみたいね」
名前は、どこか納得のいかないような気持ちを抱えながらも、再びノアズ・アークの言葉に耳を傾ける。
--to ヴァイキング--
名前達の目の前には、大きなモニター画面が現れて1つ目のステージ名が表示される。
『まず…最初のステージは、ヴァイキング…君達はヴァイキングになって、7つの海に繰り出し強い勇気と意志で数々の冒険に挑戦するんだ…』
--to パリ・ダカールラリー--
『世界の名ドライバーに混じって参加し…過酷なレースで優勝を目指してもらう』
--to コロセウム--
『優れた武器、防具を手に入れてローマ帝国で君達の腕試し…手強いグラディエーター達を倒していく』
--to 怪盗からの挑戦状--
『このステージでは…君達に世界的に有名な大泥棒になってもらい、幻の秘宝を盗み出してもらう』
「おー、俺このステージの方が向いてるかも。これ選んだら一発クリアじゃない?」
「本当ね…。でも、わざわざゲームでやらなくても、普段から似たような事やってるじゃない」
4つ目のステージ紹介を見て、ポツリと呟く快斗を見て名前は苦笑する。
「似たような事って…名前ちゃん、俺の数々の功績をゲームと同じにしないでよ」
快斗は、わざとらしく肩を落として見せる。
「ふふ…ごめんね。だけど、快斗の腕をゲームなんかで使うのもったいないし…下手にこんなゲームをやって正体がバレたら困るでしょ?」
「まぁ…確かに」
快斗と名前がそんな会話をしている間に、画面には最後のステージ名が表示される。
--to オールド・タイムロンドン--
『このステージは、ホラーっぽいサスペンスを楽しんでもらう…1888年のロンドン。現実には迷宮入りとなった連続殺人事件の犯人…切り裂きジャックを君達の手で捕まえるんだ』
「………。」
(やっぱり、ここに何かありそうだ…樫村さんを殺害した犯人の手がかりが…)
最後に登場したステージの説明が映し出された画面を、コナンは真剣な表情で見つめていた。